内定が出た外資系製薬会社にプライマリーMRとして入社するべきか?【読者さんからの質問】

こんにちは、アラサーMRのヒサシです。

このブログを開設して以降、読者さんからの質問に対して記事化という形で回答させていただくことが何度かありました。

医薬品卸のMSが後発品の発売時に行う活動とは?【読者さんからの質問】

医薬品卸にMSとして入社したら3年は働くべきか?【読者さんからの質問】

さて、今回は当ブログでは初めてとなる就活系の質問&回答記事です。

つい最近、ある学生さん(男性)から問い合わせフォームを通じて就活に関する質問をいただきました。

(ここから先、その学生さんのことを『Aさん』と書かせていただきます。)

Aさんは外資系製薬会社のプライマリーMRとして内定したものの、内資系製薬会社のオンコロジーMRの選考も受けており、ここで就活を切り上げて外資系製薬会社への入社を決断するべきか迷っていました。

結論から言うと、私とAさんとの間で何回かメールのやり取りをさせていただいた後、Aさんは就活を続行することを決心しました。

ただし、その結論にたどり着くまでの過程が大変興味深く、アドバイスをさせていただいた私自身にとっても色々な気付きがありました。

幸い、Aさん本人から実名を伏せるという条件のもと、私とのメールのやり取りを含めて記事にする許可をもらったので、このような形で記事化してみました。

Aさんへのメールには書ききれなかった医薬品業界の事情や、私自身の個人的意見など、色々な角度から掘り下げて書いてみました。

Aさん本人のみならず、このブログを訪れた全ての就活生にとって参考になれば幸いです。




Aさんからのファーストメール


5月下旬のある日、問い合わせフォームを通じてAさんから就活に関する質問をいただきました。

5月下旬と言えば、製薬会社のMR選考が活発化してきた時期ですね。

ちなみに、これは問い合わせフォーム経由の質問なので、正確にはメールではありません。

しかし、後々のヒサシとAさんのやり取り内容を考えると、実質的にはファーストメールのようなものです。

実名の部分などは修正していますが、9割以上が原文のままです。


差出人:  A  <××××× @gmail.com>

題名: 製薬会社についてのご質問

メッセージ本文:

ヒサシ様

はじめまして。

私は現在、就職活動中の新卒の学生で、製薬業界を中心に活動を行っているため、いつもブログを拝見させていただいており、本当に勉強になることが多いです。

ありがとうございます。

この度はご質問がしたいことがあり、お問い合わせをさせていたただきました。

現在、内定をいただいている企業様への入社を迷っています。社名は伏せますが、外資系のプライマリー領域が中心の企業様です。

若輩ながら昨今の製薬業界の状況などを鑑みていると正直な話、今後の製薬業界の特にプライマリー領域のMRになることに一歩踏み切ることができない状況です。

オンコロジーや中枢神経、希少疾患のMR職についての就職活動も行っていますが、内資系であることなどから、どちらにも一歩踏み切れないです。

新卒でMRになる場合のヒサシ様のご意見をお聞きしたいと思い、ご連絡差し上げました。

お忙しいとは思いますが、ご意見お聞かせください。よろしくお願い致します。


このメッセージを読んだ私の第一印象としては、『しっかりしている学生さんだなぁ…。』といったものでした。

文章内でもきちんとした敬語が使われているし、自分の将来についても真剣に考えていることが伝わってきます。

ここ数年、MRとして入社するための選考難易度は急上昇しており、非常に狭い門になってきていると聞いています。

そんな選考を突破してMRの内定を勝ち取ったということは、Aさんはきっとハイスペックな学生さんなのだなぁと思いました。

新卒でMRになれなかった就活劣等生の私とはえらい違いです。(汗)

学生時代のMR就職活動 体験記①【MR全滅編】

学生時代のMR就職活動 体験記②【武田薬品工業編】

学生時代のMR就職活動 体験記③【グラクソ・スミスクライン編】

それと同時に、アドバイスする側としてはちょっとしたプレッシャーみたいなものもありました。

俺みたいな元・就活劣等生が偉そうにアドバイスして良いのだろうか?

…といった感じで、優秀な学生さんに対してアドバイスすることについて、ちょっとした葛藤のような感情もありました。

ただ、こうやって質問をいただいたのも何かの縁ですし、せっかくの機会なのでAさんのGメールアドレスに直接返信させていただくことにしました。

(※問い合わせフォームから質問をもらった場合、必ずメールアドレスを記載いただく仕様になっているため、後ほど紹介するような形でAさんへの直接返信が出来たのです。)

ヒサシが送った返信メール


Aさんから質問をもらった翌日くらいに返信メールを送信しました。

こちらに関してもAさんの実名部分のみ修正しています。

よって、9割以上が原文のままです。


A 様

メールにて失礼いたします。

『アラサーMRの本音ブログ』の管理人であるヒサシです。

私の拙いブログをいつも見ていただき、ありがとうございます!

Aさんの状況に関して、いただいたメール内容を拝読しました。

まずは外資系プライマリーMRの内定、おめでとうございます!

新型コロナウイルスが蔓延している環境にも関わらず、内定を勝ち取れたのはAさんの努力による賜物だと思います。

さて、新卒でMRになることに関する私の意見ですが、『拝読した内容だけではアドバイスするのが難しい』というのが正直なところです。

プライマリーMRの仕事に否定的なMRもいますが、私個人としてはプライマリーMRがそこまで悪い職業だとは思いません。

Aさんは内定が出た外資系製薬会社に入社することを迷っているとのことですが、改めて要点を整理させていただいても良いでしょうか?

(もし補足などがあれば、このメールにご返信ください。)

①AさんはプライマリーMRの将来性に不安を感じている

②オンコロジー系・希少疾病系のMRにも興味があるが、内資系であることが引っ掛かる

③Aさんは内資系よりも外資系の製薬会社に将来性を感じている

④MRとしての将来性を考え、新卒でオンコロジー系・希少疾病系のMRになりたい

⑤内資系のオンコロジー系・ 希少疾病系のMRの内定はまだ出ていない

⑥内定が出た外資系製薬会社から入社の意思確認をされており、返答までの猶予があまりない

③~⑥は私の勝手な想像ですので、間違っていたら訂正をお願いしたいです。

また、Aさんの現状以外にも、Aさんが働く上で重視していることを教えていただけますと、私としてもアドバイスしやすいです。

(例:働くならとにかく高い給料がほしい、待遇よりも医薬品業界内で長く働くことを重視したい、など)

長文となってしまい申し訳ありませんが、気が向いたときにでもご返信いただければ幸いです。

宜しくお願いいたします!


自分で読み返して思ったのですが、めっちゃ長文ですね…。

長文となってしまい申し訳ありませんが…』なんて書くくらいなら、最初から長文を書くな!…って感じですよね。(汗)

ただ、この返信メールを書いていたときは、もっと判断材料が欲しいというのが本音でした。

Aさんからのファーストメールには記載されていない情報(他社の選考状況・入社意思の返答時期など)も加味した上でアドバイスしたいと思いましたし、Aさんがどういった軸で就活しているのかも個人的には気になるところでした。

それに、Aさんからのファーストメールを読んだ限りでは、こちらからの問い掛けにも答えてくれるのでは?という感触もありました。

案の定、Aさんからは回答付きのセカンドメールが返ってきたので、その点に関しては安心しました。

Aさんからのセカンドメール


この段階では、既にお互いのGメールアドレスを用いてやり取りしています。

私から返信メールを送った翌日くらいに、下記のセカンドメールが届きました。

こちらに関しても9割以上が原文のままです。


ヒサシ 様

先日は一学生の質問に対して丁寧にお答えいただき、誠にありがとうございました。

ヒサシ様がおっしゃっていられたように①〜⑤は該当しています。

⑥に関しては、催促されているわけではありませんが、企業様に迷惑がかかることはできるだけ避けたいため、憂いている状況です。

また、私自身働く上で重要視していることは、一つの会社を勤め上げるのではなく、自分のスキルや能力を研ぎ、それに応じたキャリアステップを描いていきたいなと思っています。

そのため、絶対的にプライベートを確保というよりは、高い給料を得ることができ、ある程度の業務であれば、進んでやりたいなという感じです。

今、内定をいただいている会社様も今期増収増益をされていますし、大変素晴らしい会社様であると認識はしていますが、業界のプライマリーからオンコロジーや希少疾病への転換から、不安に思う部分もあります。

また、今受けている内資系の会社様であれば、自分の思い描くキャリアステップとは多少異なりますが、単なる企業ブランドという点からも魅力的に感じる部分はあります。

漠然としていますが、これを踏まえた上でご意見をお聞かせ願います。


このセカンドメールを読んでみて、『Aさんは本当にしっかりしている学生さんだなぁ…。』といった印象がより強固なものになりました。

学生ゆえに製薬会社の実像が分からないとしても、限られた企業情報から将来を予測しようとする姿勢が感じられますし、入社後のビジョンを既に描き始めていることも良く伝わってきます。

プライベートより業務内容を優先して考えている点からも、バイタリティに溢れていることが窺えます。

そして、内定後の入社意思確認を急かされているわけでもないのに、『内定を出してくれた企業に迷惑を掛けたくない』と考えている辺りに、Aさんの誠実な人柄が感じられます。

読んでいて気持ちの良いメールだなぁと素直に思いました。

ちなみに、入社の意思確認まで猶予がありそうな様子なので、正確には『内定』ではなく『内々定』に近い状態なのかな?とも思いました。

(※『内々定』とは企業側から届く『採用予定』の通知であり、正式な雇用契約を結ぶ前であることから法的拘束力は発生しない。一方で『内定』とは入社後の雇用契約について、企業と求職者(学生)の2者間で合意している状態。)

さて、そんなAさんに対して、元就活劣等生の私からアドバイスするなんて、正直言っておこがましいのでは?とも思いました。

ただ、かつての私がそうであったように、就活中は何かにつけて心が揺れるものです。

自分の判断や行動が正しいのか分からなくなったり、誰かに自分の間違いを正してほしいと思ったり、迷っているときに背中を押してほしいと思ったり。

就活で苦しんでいた10年くらい前の自分を思い出しながら、Aさんに贈るべきアドバイスについて、無い知恵を絞って自分なりに考えてみました。

そして、最終的にAさんに対しては『今後の具体的な行動』と『就活のマインド的なもの』の2つの観点からアドバイスさせていただきました。

ヒサシからAさんへのアドバイス


実は、Aさんからのセカンドメールに対して、先述した2つの観点からアドバイスを書いたメールを送ったのですが、それはもう凄まじい長文となってしまいました。

(Aさん、あのような長文メールを送ってしまい、すいませんでした…。)

そのため、この記事内では内容を分割して記載しています。

以下、そのアドバイス内容についてです。

①:今後の具体的な行動について

これに関しては、『自分がAさんだったらどのように行動するか?』という軸でアドバイスを考えました。

その結果、今後の大まかな活動について、下記のようなことをアドバイスさせてもらいました。


・内資系の選考結果が分かるまで、外資系製薬会社への入社に関して一旦保留とする

・時間の許す限り、就活を継続する


もちろん、これはあくまで私の個人的な考え方であることを前置きした上でメールを書きました。

さて、既に内定が出た外資系製薬会社から入社の意思確認を急かされていないのなら、Aさんにとっては逆にチャンスだと思いました。

内資系などのオンコロジーMRの選考など、自分の気が済むまで就活を続けてみて、もし内定が出たら、2社、3社と比較検討してみると良い。

比較対象があれば、自分にとって最も納得できる企業を選ぶことが出来るはず。

ならば、現状では就活を続行するのがベストである。

私はそのように考えました。

よって、Aさんには『外資系プライマリーMR』の内定を『維持』しつつ、他社MRの内定が出そろうまで待ち、各社の待遇・将来性・印象などを比較してみることを提案しました。

メールの文面を読んだ限りでは、Aさんは優秀な学生といった印象を受けますし、内資系製薬会社から内定を得ることについて、おそらく難しくはないのでは?と感じたことも、このようなアドバイスをしようと思った決め手の1つです。

むしろ、このまま勢いに任せて現在の外資系製薬会社のプライマリーMRに決めてしまったら、5年後や10年後にAさんが後悔するのでは?と思いました。

残念ながら、ここ数年ほどでプライマリーMRがリストラ等で厳しい立場になりつつあるのは事実です。

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もちろん、オンコロジーMRが安泰だとは思いません。

つい最近、ノバルティスがオンコロジーMRのリストラを発表したばかりですからね。

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ただし、ここで重要なのはAさんが自分の目でプライマリーMRとオンコロジーMRの

将来性・待遇・自分への適正などについて見極めることです。

そして、そのためにはプライマリーMRとオンコロジーMRの内定が出揃った状態で、両者を冷静に見比べてみる必要がある。

よって、現在Aさんが置かれている状況でプライマリーMRの道に進む決断をするには、少しばかり早計だと思ったのです。

②:就活のマインド的なもの

これに関しては、とにかく『自分が後悔しないこと』『自分のために欲張ること』についてアドバイスさせてもらいました。

先述した『今後の活動』と重複する部分もあるのですが、Aさんには5年後や10年後に後悔してほしくありませんでした。

もし仮にですが、このまま外資系製薬会社のプライマリーMRとして入社したとして、その数年後にリストラ等の憂き目にあったとしたらどうでしょうか?


あのとき、勢いに任せてプライマリーMRに決めるんじゃなかった…。

オンコロジーMRとして別会社に入社すれば良かった…。

もっと自分が納得できるまで就活を続ければ良かった…。


もしAさんがこんな風に後悔する日が来てしまったら、それこそ最悪です。

よって、将来後悔する可能性を1%でも下げるべきだと思いました。

では、なぜヒサシはこんなことを考えたのか?

私自身、就活における自分の行動を悔いています。

学生時代に就活していた頃の私はあまりに無知であり、そして失敗ばかりを繰り返していました。

失敗から得た教訓は沢山あるので、一概に悪いことばかりだったとは言えません。

しかしながら、失敗を重ねた結果、就活時に第一志望だったMRになれなかったのは事実です。

このブログに訪れてくれた読者さん(就活生)には、そんな失敗をしてほしくない。

だからこそ、就活が上手くいく方法、極端な言い方をするなら『私のような就活劣等生にならないための方法』について記事を書いてきました。

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まあ、こんな私の体験談はさておき、後悔することほど最悪なことはありません。

あのとき、こうしておけば良かった。

あのとき、妥協するべきではなかった。

こんな風に、この先の人生で何度も思い返します。

では、後悔しないためにはどうすれば良いのか?

ありきたりな考え方ですが、私個人としては『目の前の物事の本気で取り組む』ということが必要だと思うのです。

続いて、Aさんに贈ったアドバイスは『自分のために欲張ること』なのですが、これはもう言葉通りの意味ですね。

Aさんからもらったセカンドメールの中で『内定を出してくれた企業に迷惑を掛けたくない』という一文がありましたが、この点について私は少々思うところがありました。

こういったAさんの誠実さは素晴らしいと思います。

その反面、

その誠実さが仇になるのでは?

…と思ったのも事実です。

悪い言い方をすれば、製薬会社にとってMRとは『駒』です。

そんな『駒』を、製薬会社は守ってくれません。

その最たる例がリストラです。

製薬会社を含め、会社とは自社が存続していくために必要とあらば、『駒』を容赦なく切り捨てます。

だからこそ、自分の身は自分で守らないといけない。

そのためには、もっと欲張りになって、会社に依存することなく、自分本位の考え方を身に付けることも必要です。

これは会社への感謝や恩義を捨てるといった類の話ではなく、良い意味で自己中心的な考え方を身に付けてほしいという意味です。

特に、MRという職業は清濁併せ吞むことが求められる場面も多いですから、今のうちからそういった思考法が身に付いていれば、後々Aさんにとってプラスになるでは?と思いました。

自分の人生における主人公は『自分』です。

よって、『内定を出した外資系製薬会社』のためではなく、『自分自身』のために就活を続けるべきだとAさんにお伝えました。

自分の人生のために、もっと欲張っても良いと思いますよ!Aさん!

まとめ:Aさんは就活続行を決断!頑張れAさん!


この一連のやり取りを経て、Aさんは就活を続行することに決めたそうです。

(後日、メールにて連絡いただきました。)

Aさん自身も内資系製薬会社の選考が進むにつれて、少しずつ考え方に変化が起きてきたようです。

それと同時に、『就活を最後までやり切ってから将来の道を決めたい』といった旨のメッセージをいただきました。

どの会社の入社するのか、どんなキャリアを歩んでいくのかを決めるのはAさんなのだから、自分にとって気が済むまで就活してみると良いと思います。

それと、意外なことにAさんの周りにはMR関係の人間がいないらしく、そのためMRの就活に関して相談できる相手が中々見付からなかったとも伺いました。

つまり言い換えると、Aさんは現役のMRに相談することなく、外資系製薬会社のプライマリーMRとして内定を得たとの見方もできます。

MRの採用人数が絞られていて、なおかつコロナ禍である今のご時世に内定を勝ち取れるということは、やはりAさんはハイスペックな学生さんなのだと改めて思いました。

もし私が今の知識・経験を持ったまま学生時代に戻って就活したとしても、MRとして内定をゲットするなんてことはハッキリ言って無理だと思います。(汗)

この先、Aさんがどのような道を選ぶのかは分かりませんが、Aさんならきっと良いキャリアを歩んでいけると思います。

陰ながら応援していますので、これからのMR人生を頑張ってください!

そして、この記事を読んでくれた就活生の皆さんも内定を勝ち取れるように頑張ってください!

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!





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