就活生だった頃から憧れていたアステラス製薬の“栄衰”について語ろうと思う

MRの今後

こんにちは、アラサーMRのヒサシです。

2022年の2月、アステラス製薬のMR数が1,200人にまで減ったと報じられました。

率直に言うと、これは早期退職(リストラ)の影響によるものです。

 

アステラス、早期退職に650人応募 MRは1200人に激減

 

なお一層のこと恐ろしいのは、アステラス製薬の副社長が今後も人員の最適化を行っていくということをほのめかしている点です。

このニュースを読んで、時代の流れは残酷だなぁと心の底から思ったんですよね。

2005年に山之内製薬と藤沢薬品が合併したことで誕生したアステラス製薬。

その後、医薬品業界における代表的な内資系製薬会社として歩み続けること17年。

単純なMR数だけを見れば、中堅規模の製薬会社と同程度の人数になってしまいました。

主力製品の後発品が登場したり、他社とのコ・プロモーション契約が終了したりなど、平成の終盤頃から会社として抱えていた不安要素が一気に表面化してきたといった感じですね。

そして元号が令和となって以降は、アステラス製薬の社員たちに痛みをいる方策が続いているという状況です。

この事実を目の当たりにして、就活生の頃からアステラス製薬のことを知っている私としては、何とも言えない複雑な心境なんですよね。

ヒサシ
ヒサシ

あのアステラス製薬が、まさかこんなことになるなんて…

…みたいな寂しさが尽きないというか。

その一方で、これもまた致し方ないことだと考えている自分もいます。

企業である以上、栄衰えいすいという要素は付きものです。

もし栄華を極めたとしても、それはあくまで一時的なもの。

遅かれ早かれ、いつか必ず衰退するときが来る。

人間と同じく、会社だっていつまでも元気なままではいられない。

そういった意味では、まさに令和以降のアステラス製薬は“”から“”への転換期であるように思えます。

そこで、この記事ではアステラス製薬の変遷について、私自身が感じていることをまとめてみました。

客観的なデータ分析などはしておらず、とにかく主観的な感情が入りまくりの記事ですけど、その点については許してください!(汗)

スポンサーリンク

アステラス製薬に対する印象の変遷

国内の製薬会社としては“大手企業”に分類されるアステラス製薬。

武田薬品や第一三共などと並び、業界内では知らない人はいないほどの有名企業です。

いや、医薬品業界とは関係がない一般人ですら、アステラス製薬という会社の社名くらいなら知っていることも多いです。

つまり、アステラス製薬はそれだけ知名度が高い会社ということですね。

そんなアステラス製薬ですが、平成終盤から令和にかけての時期に大々的なリストラを2回も行っています。

詳しくは後述しますけど、アステラス製薬のMR数はピーク時で2,400人もいたんですよ。

ところが、アステラス製薬はリストラを繰り返した結果、2022年2月時点でのMR数は1,200人にまで減少してしまいました。

数字だけを見ると、MR数が半減していることになります。

ヒサシ
ヒサシ

現役MRであれば、この数字の変化がいかに恐ろしいかがよく分かると思います!

あまりにも容赦がないもんだから、業界誌のみならず一般誌でもこの現象が取り上げられもしました。

アステラス製薬は“明日”を照らせるのか?

アステラス製薬の“明日”はどっちだ?

このような言葉がささやかれるほどに、アステラス製薬の変遷が世間に与えた影響は大きいときた。

かくいう私自身も、就活生だった頃から現在に至るまで、アステラス製薬への印象はかなり変化しました。

そこで、ここからは①就活生時代・②MS時代・③現役MRの現在という3つの時間軸に分けて、アステラス製薬への個人的な印象について綴っていこうと思います。

① 就活生だった頃の印象

私が就職活動をしていた2010年頃、アステラス製薬は学生の間では超優良企業だと言われていたんですよ。

敢えて強調させてもらいますけど、ただの優良企業ではなく、“”が付くほどの優良企業です。

MR(営業)・開発職・研究職を問わず、どの職種も医薬品業界内ではトップクラスの好待遇と言われていましたし。

要するに、当時の学生たちにとってアステラス製薬は人気の的だったんですよ。

医薬品を扱う生命関連企業であることも相まって、景気に左右されにくいであろう安定感も人気の秘訣でした。

それこそ、アステラス製薬みたいな大手企業に入社できれば一生安泰だぞ!みたいな風潮すらありましたからね。

ただし、当時は所謂いわゆる2010年問題』という不安要素もあり、アステラス製薬を含む製薬会社の将来性を危惧する声もありました。

しかしながら、それでも依然としてアステラス製薬は学生からの人気は高い企業だったように思います。

【2010年問題とは?】

簡単に言うと、国内での売上が大きい医薬品(複数)について、2010年前後に特許が次々と切れたことを指す言葉です。

代表的なところだと、アステラス製薬のハルナール、エーザイのアリセプト、第一三共のクラビットなどが特許切れとなりました。

この2010年問題を不安視して、当時の就活では敢えて製薬会社を受けないという学生も一定数いたのです。

このブログでも何度かお伝えしてきた通り、学生時代の私はMRを目指して就活していました。

そんな就活方針の発端についてですが、私がMRという職業の存在を知ったのは『女性MR研究会』という就活イベントがきっかけです。

そのイベントの個別ブースにて私への対応をしてくれた人こそが、アステラス製薬の現役MR(男性)だったのです。

(※詳しい経緯については下の記事をご覧ください!)

 

就活中に製薬会社のMR(営業職)を知ったきっかけは『女性MR研究会』でした!

 

今でもよく憶えているのですが、見た目の年齢は40歳くらいで、高身長かつ高級そうなスーツをビシッと着こなしているMRさんだったんですよね。

話し方も理路整然としていて、とにかくスマートな印象を強く受けました。

それで、私はこう思ったんですよ。

ヒサシ
ヒサシ

MRって格好いいなぁ…

俺もMRを目指してみようかなぁ…

…ということで、帰宅してからMRの待遇についてより詳しく調べてみたら、どうやら高給取りな職業であることが分かってきた。

大学内にある就職指導課のオジサンにMRのことを尋ねてみても、やっぱり給料面について好待遇であることは間違いないらしい。

だったらMRを目指すしかなくね!?

…みたいな短絡的思考のもと、私はMR志望の就活に勤しむようになったのです。

その一環で私はアステラス製薬の会社説明会に参加し、その後に行われる適正テストも受検しています。

…と言っても、私はその適正テストで落ちてしまいましたが。(汗)

ヒサシ
ヒサシ

あのときは凹んだなぁ…(遠い目)

実は、当時の私は恥ずかしながら【大手病】を患っている学生でした。

そのため、身の程知らずにも大手の製薬会社ばかりを受けていたんですよね。

アステラス製薬は勿論のこと、他には武田薬品・第一三共・エーザイなども受けています。

しかしながら、私程度のスペックではリーマンショック後の就活戦線で健闘できるはずもなく、MR関係の選考は“全滅”という体たらく。

武田薬品の1次選考(集団面接)に至っては、他の学生たちがハイスペック過ぎて悪あがきする気力も湧きませんでしたからね。(汗)

 

学生時代のMR就職活動 体験記①【MR全滅編】

学生時代のMR就職活動 体験記②【武田薬品工業編】

 

結果こそ残念でしたが、今となっては良い思い出です。

こんな具合に、私は学生の頃からアステラス製薬とはちょっとした縁があったんですよね。

なおかつ、アステラス製薬には憧れの念があるというか。

当時の私にとって『アステラス製薬』=『優良企業』というイメージがとても強く、この考え方は医薬品卸のMSとして就職してからも変わりませんでした。

② MS時代の印象

私がMSとして働いていた頃って、とにかくアステラス製薬の薬剤に関する施策が沢山あったんですよね。

降圧剤のミカルディス。

過活動膀胱治療剤のベシケアやベタニス。

喘息治療剤のシムビコート。

骨粗鬆症治療剤のボノテオ。

機能性ディスペプシア治療剤のアコファイド。

こういった生活習慣病の薬剤について、どれ程の朝礼(または夕礼)が行われたことか。

これらの薬剤1つ1つについて、MSとMRによる同行・説明会の企画がどれだけ組まれたことか。

そして何より、これらの薬剤についてMSとしてどれだけ【詰め】を行ったことか。

ヒサシ
ヒサシ

特にベシケア・ミカルディスの施策では、上司やプロモーター(先輩MS)からのプレッシャーがキツかったなぁ…

軒数の企画。

グロスの企画。

新薬発売時の配置企画。

MS(個人)としても、医薬品卸(組織)としても、アステラス製薬は最注力メーカーの1つだったように思えます。

“会社 対 会社”での付き合いをしている関係上、私自身もアステラス製薬のMRと関わる機会は沢山ありました。

あくまで私個人の主観ですけど、アステラス製薬のMRさんには所謂いわゆる良い人”が多かった気がします。

気性が穏やかというか、温厚というか。

性格(人間性)について、良い意味でくせが無いというか。

数の中には気難しい(…と言うか性格が悪い)MRもいましたが、総じてアステラス製薬のMRさんとは良い関係で仕事をすることが出来たように思います。

その影響なのか、MS時代の私はアステラス製薬に対してこんな印象を持っていました。


アステラス製薬は優良企業だから、そこで働くMRさんも精神的に穏やかな人が多いんだろうな。
業界内でもアステラスMRの給与水準は高いと言われているし、福利厚生も充実しているみたいだし。
きっと企業としての雰囲気に加えて、好待遇であることも社員の性格にも影響しているのだろう。
あー、新卒でアステラス製薬のMRになれなかったことが悔やまれるぜ…!!

こんな感じで、一介のMSという立場で傍目から見ている分には、アステラス製薬は凄まじい優良企業に見えたんですよね。

正味な話、学生時代は漠然とした憧れだけでアステラス製薬のことを見ていました。

ですがMSとして就職した後は、アステラスのMRさんと交流する度に優良企業としてのイメージが強化されていったように思います。

それはやはり、気性が穏やかなアステラスMRさんを複数見続けてきたがゆえの結果なのかもしれません。

勿論、当事者たるアステラス製薬のMRにとっては、彼らなりの苦悩もあったことでしょう。

MSの視点からでは窺い知れない領域にて、様々な辛酸を舐めていたに違いない。

…などと今では思ったりしていますが、当時の私には知るよしも無いことでした。

ヒサシ
ヒサシ

まさに“隣の芝生は青く見える”というヤツですね!

アステラス製薬は、業界内でも随一の優良企業。

アステラスMRは、業界内でも屈指の勝ち組。

それがMS時代のアステラスに対するイメージ像だったのです。

③ MRに転職後の印象

自分自身がMRとして働き始めてみると、次第にアステラス製薬への印象が変わっていきました。

これについては、同業者としてアステラスMRが抱えている苦しみについて理解できるようになったことが大きかったように思います。

例えばですが、先ほど挙げたミカルディスやシムビコートなんかはコ・プロモーション(並行販促)の薬剤だったんですよね。

ミカルディスはベーリンガーと。

シムビコートはアストラゼネカと。

つまり、コプロ相手の会社とも足並みを揃え、製品のプロモーション活動を行っていく必要があるワケです。

しかし!!!

私自身もコプロ経験があるからこそ分かるのですが、他社のMRと協調して仕事を進めるのって大変なんですよ。

…と言うか、かなり面倒くさい。

製造販売元のA社は○○したいと言っているけど、コプロしているB社は『××したい』などと主張する。

酷い場合だと、コプロ相手からの連絡をシカトして、自分勝手な個人プレイに走るMRまでいます。

ハッキリ言って、コプロしているとこんな場面はザラにあるんですよね。

それこそ、マジで日常茶飯事じゃないかってレベルで。

まさにコプロならではの弊害というヤツです。

ましてや、アステラス製薬の注力製品はコプロしているモノばかり。

現場で働いているアステラスMRとしては、さぞかしストレスが絶えない環境であったことでしょう。

ヒサシ
ヒサシ

互いに別会社である以上、コプロだろうと自社方針の違いからモメることは少なくないのです!

さらに厄介なのは、アステラスの注力製品には生活習慣病の治療剤が多いという関係上、MS(医薬品卸)との繋がりも無碍むげには出来ないという点です。

私もMRに転職したことで知ったのですが、世の中にはマジでムカつくMSがいるんですよ。

このブログ内でも幾度となく記事化してきましたが、性悪・傲慢・狡猾の典型例みたいなMSは本当に厄介です。

 

初対面でイヤ~な感じがするMSの特徴について現役MRの視点から考えてみる!

説明会などの場面でMRに弁当をねだる『身勝手なMS』について思うこと

MRに対して傲慢なMSに物申す!医薬品卸にて最も不要な存在はお前たちだ!

 

決して全てのMSがそうだとは言いませんが、上の記事で解説しているようなタチの悪いMSが一定数いるのも事実です。

GP販路】が主戦場であるアステラスMRにとって、上記のようなMSと付き合うのは苦痛でしかないはず。

…とはいえ、人間的に腐っているMSであっても、MRという立場を考えると全く関わらないというワケにもいかない。

ましてや、そんなMSなんかと一緒に同行や説明会などを行うことへのストレスは半端じゃない。

こんな具合に、MSとの関係性について苦しんでいたアステラスMRも多かったのではないでしょうか?

ヒサシ
ヒサシ

私がMS時代にお世話になったアステラスMRさんも、きっと笑顔の裏では数多くの不満を抱えていたのではないかと思う…

そして何よりも衝撃的だったのが、2018年11月に発表された早期退職(リストラ)です。

アステラス製薬のMR数はピーク時で2,400人いたと言われており、国内最多の人数体制との呼び声も高かったように思います。

…が、一時期は隆盛を極めたかのように見えたアステラス製薬も、時代の流れには抗えなかったということですね。

後発品の参入。

コプロ契約の終了。

画期的な新薬の枯渇。

これらの要素が絡み合い、アステラス製薬は早期退職者を募集せざるを得ない状況にまで追い込まれたと。

 

アステラス 国内MR数2100人体制、MSLへの異動や自然減で 早期退職者でさらに減少も

アステラス 国内MR数は“2000人前後”に 早期退職優遇制度に約700人応募

 

そして、これら一連のリストラが完了した2019年4月時点でのMR数は約2,000人。

(※このときのリストラでは、本社勤務の人間が応募者のうち7割ほどを占めていた。)

これだけでも相当なエグさを感じるリストラだったのに、今度は2021年6月に新たなリストラ告知が。

しかも、それに追い打ちをかけるかのように、今回は給与体系の見直しまで。

リアルタイムで日刊薬業・PISFAX・ミクスなどの記事を読んでいた身としては、流石にこれは酷いと思ったものです。

 

アステラス製薬 「早期退職者優遇制度」導入 グループ会社2社を含む社員450人程度想定 12月末退職

アステラス、MR職の給与体系廃止へ  来年4月から全社共通に、大幅減額への懸念も

 

…で、新たなリストラが完了した2022年の2月時点では、何とアステラス製薬のMR数は1,200人にまで減少してしまったという衝撃的な事実が判明したときた。

日刊薬業の記事を読む限りだと、アステラス製薬に在籍していた2021年3月末時点でのMR数は1,700人だったとか。

つまり、2021年3月~2022年2月までの約1年間で、何と500人ものMRが辞めたということです。

ちなみにですが、2019年4月時点でのMR数は2,000人ほどだったと報じられています。

これらの事実を読み解いていくと、大々的なリストラは行われていないはずの2019年~2021年にかけても、何と約300人ものMRが辞めているということになります。

 

アステラス製薬 昨年末の早期退職に650人応募 割増退職金158億円計上 グローバル要員約1000人減少

アステラス、早期退職に650人応募 MRは1200人に激減

 

ピーク時は2,400人もいたMR数が、2022年の時点では半分の1,200人しかいない。

これはエグい。

とにかくエグい。

現役MRとして、背筋が寒くなる。

そんな感想しか湧いてこないほどに、アステラス製薬の変遷は慌ただしい。

平成終盤から令和にかけて、アステラス製薬が悪い意味でこれほど注目を集める日が来ようとは思いませんでした。

スポンサーリンク

最後に:どんな優良企業であっても衰退する日は必ず来る!!

就活生だった頃からアステラス製薬を知っている身としては、何とも言えない寂寥感に包まれています。

学生からの人気も高く、就職四季報などでも優良企業の筆頭として挙げられていたアステラス製薬。

そんなアステラス製薬について、ここまでMRが減ることを誰が予想できたでしょうか?

そして何より、アステラス製薬で働くMRはこのような展開を予想できたでしょうか?

多分ですけど、そんな予想なんて出来なかった人の方が大多数ではないかと思うのです。

ヒサシ
ヒサシ

少なくとも、西暦2010年くらいの時期においては…

私は以前、ブログ内で就活中の学生さん向けに『大手企業に入社しても安泰ではない』という記事を書いたことがあります。

私は以前から、どんな会社であっても“栄衰えいすい”という要素が付いて回ると考えていたからです。

 

大手企業から内定が出ても安心してはダメです!安泰な会社なんて存在しません!

 

この記事で綴っていることは、あくまで私の勝手な見解です。

…が、アステラス製薬の変遷を見ている限りでは、私の持論もあながち的外れではないように思えてきました。

人であれ、会社であれ、いつまでも黄金期のままではいられない。

時間の経過に伴い、徐々にだけど確実にかげりが生じてくる。

まさに“盛者必衰”というヤツです。

どれだけ勢いが盛んであっても、いつか必ず衰える日が来る。

世の中は無常であり、状況は常に変化していく。

未来永劫、企業としての栄華を維持するなんてことは出来ない。

どんなに業績好調で、世間から優良企業と評されるような会社であっても、このことわりからは逃げられない。

平成から令和に渡ってアステラス製薬を見てきた身としては、そのように思わずにはいられません。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました