製薬会社でMR(営業)として働いているヒサシと申します。
先日のRISFAXにバイエル薬品の早期退職(リストラ)の記事が載りました。
しかも、早期退職の募集人数は160人です。
これが5年くらい前なら、悪い意味で業界を騒がせるニュースとなっていたことでしょう。
しかし、2018年から始まったリストラブームのせいで感覚が麻痺しているのか、
今回バイエルがリストラ発表したことについて全然驚いていない自分がいます。
私の同僚MRも特に驚いている様子はありませんでした。
『へぇー、またどこかの会社がリストラするんだ。』
…くらいの感じです。
つまり、現役MRにとっては、
『製薬会社』イコール『リストラする会社』
…みたいな感覚なのでしょう。
人間は慣れる生き物ではありますが、
自分がここまで『リストラ』という言葉に慣れる日が来るとは思ってもいませんでした。
今日はその辺りの心情について記事にしてみました。
バイエルの早期退職はMRだけでなくMLSも対象
この記事の冒頭で、バイエルの早期退職(リストラ)の対象人数は160人だと書きました。
これはMRだけでなくMSLも対象にしているようです。
MSLはMRのキャリアパスの1つでもあるのに、
そのMSLをもターゲットにしているということは、
バイエルはとにかく社内での人員削減を推し進めたいという意向なのでしょう。
また、業界内でも話題になっている販売情報提供ガイドラインも大きく関係していることでしょう。
ただでさえ医療機関への訪問規制がキツい世の中なのに、
情報提供のやり方にまで制限が及び始めた。
こんな環境ではMRもMSLも医師に面会することもままならないし、
面会まで漕ぎ着けたとしても、
今までのような『売上に繋げる情報提供』はやりにくくなった。
その結果、営業現場では本来業務を遂行できないMRやMSLが余っている。
だったら、現場で余っている人間を減らしてしまえ!
…というのがバイエルとしての考え方なのでしょう。
さらに、RISFAXは『今後バイエルはデジタルツールを活用していく』と報じています。
現場の人間を削る一方で、効率的かつ適正な情報提供ができるデジタルツールの方がメリット大きいと判断したのでしょう。
バイエルが考えているデジタルツールなるものが、
『WEB講演会』の配信なのか、
『薬の適正使用に関する動画』なのか、
その辺りの事情は分かりませんが、
本社監修のデジタルツールを駆使した方が販売情報提供ガイドラインに引っ掛かるリスクは低くなりそうです。
確かに、バイエルは会社として合理的な判断をしていると思います。
でも、私個人としては同業者であるMRが今以上に減ることについてはやっぱり寂しく感じます…。
10年ほど前、バイエルは学生から大人気の超優良企業だった
私は学生時代、就活の一環でバイエルの選考を受けたことがあります。
とはいえ、アッサリと落とされましたが…。
私が就活していた頃、
バイエル薬品は外資系の製薬会社の中では断トツの人気がある会社でした。
私の周りでも、
ファイザーよりも、
アストラゼネカよりも、
GSKよりも、
ベーリンガーよりも、
やっぱりバイエルに入りたい!!
…と言っていた同級生は多かったです。
(※…と言うか、私も新卒でバイエルに入社したかったです…。)
実際、私が参加したバイエルの会社説明会では、
『ウチは社員に優しい会社です!』
『勤務地についても柔軟に対応しています!』
『結婚した場合、配偶者がいるエリアに優先的に配属する制度があります!』
…というような話を聞いた記憶があります。
そのため、『結婚』という言葉に敏感な女子大生からは、特に人気が根強かったように思います。
会社説明会の内容が100%真実だとは思いませんが、
少なくとも他の製薬会社よりはMR(社員)を大切にしていそうな印象を受けました。
実際、MS時代はバイエルMRの方々とも一緒に仕事をさせていただいた経験がありますが、
彼らが会社の悪口を言っている場面はあまり見たことがありません。
(※たまたまかも知れませんが…。)
そんな10年前の話はさて置き、
当時は学生たちから『超優良企業』と呼ばれたバイエルですら、
ついに早期退職(リストラ)に踏み切ってしまった。
10年という時間の重さと残酷さが感じられます。
やっぱり、10年先の未来を予想するのは不可能であることを改めて実感しました。
まとめ:自分の身は自分で守るしかない…!!
学生時代に私が就活で受けた製薬会社がどんどん早期退職(リストラ)を発表していく。
こんな現実を見続けていると、何とも言えない寂しい気持ちになります。
私は10年ほど前、
製薬会社に入社すれば安定した人生が待っている!
…などと本気で思っていました。
それは私が無知かつ勉強不足であったせいでもありますが、
今日のような状況にまでなるとは考えてもみませんでした。
医薬品業界では『安定』なんて言葉は死語になりつつあります。
今回のバイエルだけじゃない。
内資も外資も問わず、あちこちでリストラが行われている。
リストラに遭ったMRは数少ない中途採用枠に殺到し、生き残ろうと藻掻いている。
まさに乱世、MR戦国時代へと突入してしまった。
しかも、そのことに対して驚かなくなった自分がいる。
こんな風に、リストラが相次ぐことについて寂しいと感じると同時に、危機感も湧いてきます。
昨今のリストラブームが私に教えてくれたのは、
会社は社員を守ってくれない!
自分の身は自分で守るしかない!
…ということです。
一応、いざという場合に備えて転職活動はしていますが、
今以上に活動を強化した方が良い気がしてきました。
MRの皆さん、頑張ってこのMR戦国時代を乗り切りましょう!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!