医薬品卸がなくなると困る人間は大勢いるぞ!業界内における卸の必要性を再考する!

こんにちは、元MSで現在はMRとして働いているヒサシです。

この記事を書いている2021年の時点で、MSを辞めてから約5年が経ちました。

私がMSとして医薬品卸に勤めていた頃は、MSとしての仕事や医薬品卸の社風などに馴染めず、何かと苦しんでいた記憶があります。

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当時はメンタル的にも荒んでいたことから、

MSの仕事なんざ、やってられねーよ!

こんな会社(医薬品卸)は社会に要らねー存在だよ!

…などと文句を言いながら働いていた時期もあります。(汗)

MSとしての業務がキツすぎて、MSのみならず医薬品卸そのものに対して批判的な感情が募っていたんですよね。

それこそ、MSを辞める直前くらいの時期は、医薬品卸に対する美点を見出せなくなるほど不満が溜まっていました。

でも、医薬品卸を辞めてから5年が経った今、MSだった頃とは180度異なる考え方をするようになりました。

医薬品卸は社会に必要な存在です!!

そして、医薬品卸の代表として取引先に向き合うMSもまた大切な存在です。

今では自信を持ってそう断言できます。

では、なぜそんな風に思うようになったのか?

もし医薬品卸がなくなったら、困る人間が大勢いるからです。

私はMS(医薬品卸)を辞めた後、現職であるMR(製薬会社)の仕事を通じて、医薬品卸の社会的意義というものを何度も目の当たりにしました。

そして、MS時代に自分が行っていた仕事の意義についても再確認しました。

夜中に患者の容体が急変した際、足りなくなった医薬品の緊急配送を行っているのは誰か?

地震や台風などの天災が起きた際、医薬品の物流インフラを支えているのは誰か?

温度管理を含めて特殊な輸送が求められる医薬品について、万全の配送体制を敷いているのは誰か?

自主回収出荷調整などの際、患者や取引先が困らないように代替品を素早く準備しているのは誰か?

諸々の事情により不動在庫となった医薬品について、柔軟な返品処理を行っているのは誰か?

取引先1軒だけで年間だと数千万円から数億円にもなる医薬品の売掛金について、1円の誤差もなく回収しているのは誰か?

これらは全て、医薬品卸の人間が行っていることです。

ここまで精度が高い業務の数々について、佐川急便・ヤマト運輸・日本通運といった他の物流企業が100%代替することは出来るでしょうか?

いいえ、そんなことは決して出来ません。

これらの業務は、医薬品の物流に特化した医薬品卸だからこそ果たせていることです。

では、もし医薬品卸がなくなったとしたら、何が起こるでしょうか?

いつ・誰が・どこで・どんな理由で・どのように困るでしょうか?

そんな仮定の話について、MSとMRを5年ずつ経験した人間としての意見を述べていきます。




医薬品卸がなくなると困る人々


医薬品卸がなくなる。

もしそうなった場合のことについて、皆さんは考えたことがあるでしょうか?

医薬品業界において、医薬品卸は当たり前のように存在しています。

ですから、たとえ仮定の話だとしても、医薬品卸がなくなった場合の未来についてはピンとこないかも知れませんね。

でも、医薬品卸が当たり前のように存在しているということは、それだけ各方面の人々から必要とされていることの裏返しだと思うんですよね。

この記事の冒頭で、私は医薬品卸は社会に必要な存在と書きました。

なぜかと言うと、医薬品卸がなくなると困る人間がいるからです。

少なくとも、この記事を書いている私(MR)は困ります。

これまた仮定の話ですが…

製薬会社の代表として、数多くの医療機関宛に請求書・見積書・納品書を作ったり、代金回収を行ったり、返品対応を行ったり等々。

極端な話、MRの仕事に加えてMSとしての仕事も行う羽目にでもなったら、仕事量がとんでもないことになります。

もう恐ろしすぎて考えたくもありません。

…といった具合に、製薬会社(MR)を含めて各方面に影響が出るのは間違いありません。

医薬品卸の会社数や規模といった要素については、この記事の中では除外して書かせてもらっていますが…

取りあえず、

もし医薬品卸がこの社会からなくなったとしたら?

…という視点で読み進めてもらえればと思います。

1.医療機関で働く人々

病院・開業医・調剤薬局といった施設において、医薬品卸のお陰で成り立っている業務は多いです。

例えば、医療機関が医薬品卸に依頼する仕事の代表格として『急配』があります。


○○時○○までに、○○という薬剤を届けてほしい。
患者が待っているから、1分でも早く持ってきてほしい。

こんな依頼をしてくる医療機関は大量にあります。

…と言うか、急配を頼んだことがない医療機関なんて皆無だと思います。

医薬品卸にとっては厄介な依頼事である急配ですが、何だかんだ言って卸側は律儀に対応しています。

それこそ、医薬品卸の営業所が近所であれば、注文から30分~1時間くらいで届けてくれることも結構あります。

ハッキリ言って、ここまで迅速な対応をしてくれる物流業者って中々いないですよ。

年がら年中、急配を毎日のように依頼している医療機関ほど、実は医薬品卸による恩恵を受けているのです。

注文したら1分でも早く薬を持ってくるのは、医薬品卸として当たり前だろうが!!

…なんて意見もあるかも知れませんが、ちょっと待ってください!

この急配という業務は、卸側に相当な負担を掛けています。

在庫に余裕はあるのか?

在庫があるとして、誰が急配を行うのか?

急配に伴う配送ルートの臨時変更は必要か?

そのことによって他の取引先への配送について皺寄せは出るのか?

…といった具合に、医薬品卸はあらゆる要素を調整して急配を実行しているのです。

急配が発生するとき、医療機関には医療機関の事情があるのは分かります。

患者ありきで仕事しているワケですから、薬の納品時間に対してシビアになることも理解できます。

だからこそ、医薬品卸は医療機関側の事情を汲み取って、頑張って急配に対応しているのです。

年末年始・GW・お盆を含む365日かつ24時間、たとえ真夜中であっても急配の依頼が入れば医薬品卸は対応しています。

医薬品卸のMS時代に最も大変だった休日当番エピソードを紹介します!

私がMSとして働いた5年間を振り返ってみると、大晦日の夜中に急配対応をしたことがありますし、元旦の早朝に急配対応したこともあります。

これは医薬品が生命関連商品であるが故の措置であり、医薬品卸の義務でもあります。

ですが、もしこういった義務を果たしている医薬品卸がなくなったら何が起こるでしょうか?

どこの誰が医薬品の急配を行うかはともかく…

果たして、医薬品卸と同じスピード感で急配対応してくれる業者がいるでしょうか?

個人的には甚だ疑問です。

他には、地味ながら医薬品卸が医療機関に貢献しているポイントとして『返品対応』があります。

繰り返しになりますが、医療機関は患者ありきで仕事を回しています。

つまり、

ある患者に使うはずだった薬について、患者の容体が急変したから別の薬を使うことになった!

…なんてパターンは幾らでもあります。

当然、元々用意していた薬は不要となりますよね。

そんな不要となった薬について、医薬品卸はその都度返品を受けているのです。

さらに言うなら、在庫管理が下手な取引先から期限切迫品の返品を依頼される…

…なんてことも結構あります。

…にも関わらず、医薬品卸は柔軟な返品対応をすることで取引先に貢献しているのです。

正直言って、返品について医薬品卸並に融通が利く業者って中々いないですよ。

そもそも、一度買ったモノを次々と返品するなんて、世の中の常識からは大きくかけ離れています。

そんな返品事情がまかり通ってしまうのが医薬品業界なのです。

その裏側には、医薬品卸による努力があるんですよね。

こんな風に、急配にせよ返品にせよ、医薬品卸が果たしている役割は大きいと思うワケです。

医薬品卸がなくなる急配・返品を頼めなくなると考えると、やはり医療機関で働いている人々にとっては大きなマイナスになるのではないでしょうか。

2.患者

さきほどの医療機関の項目と重複する部分もありますが…

病院にせよ、開業医にせよ、なぜ医薬品卸に薬の注文を出しているのか?

この答えは至ってシンプルで、患者に対して薬を使うためです。

つまり、医薬品のエンドユーザーは患者なのです!

この事実を忘れてはいけません!

エンドユーザーとは?


最終的に『実際に商品を使う(使われる)人』を意味する言葉です。


商品を購入する人』のことではありません。


つまり、消費者や顧客とは異なる概念です。

医薬品とは患者の体内に入って初めて、その効果を発揮します。

…ということを考えると、薬の現物を運搬している医薬品卸は責任重大と言えます。

例えばですが、もし医薬品卸がなくなって、急配を行ってくれる業者がいなくなったら何が起こるでしょうか?

不測の事態が起きて医薬品が足りなくなったとき、すぐに新しい医薬品が入ってこないということになりますよね。

その結果、もしかしたら患者が不利益を被る(最悪の場合、死亡する)といった可能性が考えられます。

薬が1つ入ってこないだけで、患者の生命が危険にさらされる。

薬が1つ足りないだけで、救えたはずの生命を救えなくなる。

可能性としては高くないものの、こういった事例は確実に存在しています。

ところで、ちょっと話が変わりますが…

私はMS時代に、有機リン剤中毒の治療薬であるパム静注という薬の急配を行ったことがあります。

病院の薬剤師の先生が電話してきて、パム静注を投与しないと命が危うい患者がいるから、何とか早急に届けてほしいと言ってきたんですよね。

そのとき私はMSとしての抱えていた仕事の予定を全てキャンセルし、パム静注の配送を最優先して行いました。

その結果、患者は何とか一命を取りとめ、薬剤師の先生にも喜んでもらった経験があります。

こんな風に、医薬品卸による迅速な急配対応によって、間接的にですが患者の役に立っている場面は必ずあります。

他には、地震や台風といった自然災害が起きた場合はどうか?

インフラが混乱している中であっても、医薬品の安定供給を絶やすまいと尽力する医薬品卸。

そんな医薬品卸がいるからこそ、エンドユーザーである患者に医薬品が行き届くという側面もあります。

有事の際であっても医薬品卸の安定供給を行うため、医薬品卸は多額の費用を投じて自然災害時でも稼働できる物流センターを建設しています。

これもひとえに、エンドユーザーである患者を想ってのことです。

何だかんだ言って、医薬品卸がなくなったらエンドユーザーである患者も困るのです。

少なくとも、今よりは迅速かつ柔軟な医薬品供給はできなくなるかと思います。

かつて医薬品卸で働いていた人間として、私はそのように思っています。

3.製薬会社の社員たち

もし仮に、医薬品卸が明日からなくなったとします。

そしてさらに、佐川急便もヤマト運輸といった物流業者も、医薬品の配送や代金回収には一切関わらないと仮定します。

…という前提で考えると、今まで医薬品卸が行っていた仕事って、そのまま製薬会社の仕事として流れてくると思うんですよね。(汗)

さらに言うと、営業(MR)が行わなくてはダメであろう仕事が大量に増える気がしてならない。

ハッキリ言って、考えたくもありません。

ここまで書いてきた急配や返品は勿論のこと、請求書・見積書・納品書の作成など、医薬品卸が行っている業務は事務仕事だけでも山のようにあります。

当然ながら、こういった事務仕事においては1円の誤差も許されません。

それに、取引先ごとに各種書類への金額表記のルールも異なります。

例えば、

四捨五入で記載するのか?

小数点以下は全て切り捨てか?

…みたいなローカルルールが存在する施設もあるので、こういった細かい部分への気配りも大切になってきます。

その他にも、債権管理も重要です。

医薬品を取引先に納入した時点では、帳簿上の数字があがっているだけです。

つまり、代金を回収しない限り本当の営業実績とは呼べない状態なのです。

だからこそ、この債権管理の仕事は疎かにできません。

例えばですが、債権関係の仕事では以下のようなことがザラにあります。


A病院からの入金額が足りないぞ!
Bクリニックから貰った小切手の金額が変だぞ!
C薬局が支払いを滞納しているぞ!

こんなとき、必ず誰かが取引先に対して代金回収の交渉を行うワケですが…

お金を回収する仕事は本当に大変です。

私の現職はMRであり、MS時代に行っていた代金回収の仕事から離れてから随分と経ちましたが…

支払いを渋る相手との回収交渉は、とにかく骨が折れます。

こういった場合、取引先との書面で交わした契約書内容に基づいて請求を行っていのが基本です。

しかし!

契約を盾にして代金回収を強行しようとすると、それはそれで良くないです。

もしかしたら、取引先側にも何らかの事情があったのかも知れません。

何より相手も人間ですから、言葉を選んで交渉しないとクレーム案件になってしまいますからね。(汗)

下手をすれば、その後の取引にも支障が出ます。

よって、現場の担当者としては慎重に、丁寧に、そして毅然とした態度で回収交渉を行うことが求められます。

知っての通り、製薬会社のMR(営業)は一般的な営業職とは異なり、代金回収の仕事は行いません。

こういった面倒くさい回収系の仕事は全て、代理店である医薬品卸のMS(営業)が行っています。

そんな代金回収の仕事を、MRが行う羽目になったとしたら?

うーん、考えたくもありません。(汗)

…とまあ、こういった一連の業務を製薬会社が行うことにでもなったら、それはもう一大事なワケです。

数々の仕事が現場の担当者(MR)に降りかかってくること間違いナシです。

平たく言えば、MRの仕事に加えて、MSの仕事も行うようなものですからね。

それだけは勘弁してくれって感じです。

まあ、私がここまで書いてきた内容は仮定の話であり、実際に実現する可能性は極めて低いです。

むしろ、一介のMRとしては実現してほしくありません。(汗)


その一方で、直販体制を敷いている製薬会社もあります。

後発品メーカーの東和薬品です。

東和薬品のような直販メーカーが増えると卸(MS)は不要になるかも?

現在はスズケン・東邦とも業務提携している東和薬品ですが、彼らの基本スタイルは直販での商売です。

当然、現物の配送から伝票関係の仕事まで、色々なことを自前で行っています。

これまた仮にですが、もし各製薬会社が東和薬品のように医薬品卸を介さないビジネス展開をするとなったらどうでしょうか?

おそらくですが、東和薬品MRと同じような働き方をする必要に迫られるのではないでしょうか?

そうなってしまったら、現場のMRとしては超絶困ります。

仕事量がとんでもないことになりそうです。

少なくとも、私は耐えられる自信がありません。(汗)

だからこそ、薬の配送や代金回収を行ってくれている医薬品卸は、製薬会社にとってもありがたい存在だと思うんですよね。

4.医薬品卸の従業員

医薬品卸がなくなると困る人々。

その中には、当の医薬品卸で働いている従業員も含まれます。

これもあくまで仮定の話として読んでもらいたいのですが…

当然、医薬品卸で働くことによって給料をもらって生活している人は大勢いるワケです。

その給料で家族を養っている人も多いでしょう。

では、医薬品卸で働いている人たちはどのくらいいるのか?

2020年の時点では、医薬品卸の従業員数は54,647人、そのうちMSは16,011人います。


引用:データ集-日本医薬品卸売業連合会


もし医薬品卸がなくなるとしたら、5万超の人たちが路頭に迷うということです。

そうなったら、医薬品卸の従業員としては生活に困るのは明白です。

つまり、医薬品卸の従業員が今後もメシを食べていくためにも、医薬品卸がなくなることは憂慮すべき事態なのです。

とはいえ、繰り返しになりますが、この記事で私が書いている内容はあくまで仮定の話です。

実際には、どこかの医薬品卸が明日にでも倒産するなんてことはまずあり得ません。

2019年~2020年にかけて4大卸による談合問題も起きましたが、それでもなお、倒産にまで至った医薬品卸は今のところありません。

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JCHOの指名停止措置で大手&地場の医薬品卸に激震!談合問題でまさかの展開か!?

もしかしたら業界内での再編(合併など)はあるかも知れませんが、まだまだ医薬品卸自体はなくなりません。

むしろ、なくなっては困ります。

私が元MSだから余計にそう思うのかも知れませんが…

やはり医薬品卸があるからこそ、各方面の人々が恩恵を受けているのは事実です。

医療機関にとっても、患者にとっても、製薬会社にとっても、そして医薬品卸で働く人々にとっても、医薬品卸そのものは存続してもらわないと困るのです。

ヤマト運輸・佐川急便・日本通運などが医薬品卸の業務を全て代行することは不可能!


医薬品卸が担っている流通機能とは、例えばですが、佐川急便・ヤマト運輸・日本通運などが簡単に代替できるようなものではないのです。

ここまで書いてきた通り、医薬品の安定供給とは単に薬を届けるだけではありません。

365日、24時間の配送体制を敷く必要がありますし、場合によっては返品も発生します。

もし製薬メーカー都合の自主回収が起きた際には、慎重な対応が求められます。

他には、取引先1軒1軒に対して請求書・見積書・納品書を作ったり、売掛金と入金額を照らし合わせて、互いに齟齬が無いかを逐一チェックしたり。

医薬品の欠品が発生しようものなら、その旨を取引先にお詫びしつつ納期を連絡したり。

こんな風に医薬品の配送に伴う業務は山ほどあるワケです。

これらの業務を佐川急便やヤマト運輸が100%実行できるかと考えると、正直言って難しいのではないかと思うんですよね。

例えばですが、24時間の配送体制とか、欠品の連絡くらいなら何とかなるかもですが…

自主回収の度に現物を引き上げる対応するとか、事務的な書類仕事などについては、佐川急便・ヤマト運輸にはキツいんじゃないですかね。

一応、日本通運(通称:日通)が医薬品物流に参入するといったニュースが流れたことはありましたが…

日通、医薬品物流に本格参入

来年2月から医薬品物流を本格スタート=日本通運

GDP(Good Distribution Practice=医薬品の適正流通基準)をクリアして医薬品物流が可能になったとのことですが、物流に付随する様々な業務についてはどう考えているのでしょうね。

法律的な部分をクリアしたとしても、顧客(医療機関・製薬会社など)から評価されるかどうかは別問題なので、今後の日通の動きには要注目ですね。

ところで、ちょっと話は変わりますが、少し前に佐川のヤマトの配送さんが家に来た時に、色々なことを尋ねてみました。

印字伝票の作り方とか、配送アプリの使い方とか、クロネコメンバーズへの加入方法とか。

(※ヒサシは在宅勤務をしているMRなので、薬の資材発送なども佐川・ヤマトなどを通じて自宅から行っている。)

そしたら、配送のお兄さんからこんな返事をされたんですよね。


そういったことは、自分には分かりません。
自分の仕事は、荷物の配達や集荷ですし、そもそも正社員ではないので…
申し訳ないのですが、その件については会社に電話でお問い合わせください。

いかがでしょうか?

これはつまり、その辺を走り回っている佐川・ヤマトなどの配送さんは、あくまで荷物の配送・集荷に特化して活動していることを意味しています。

良く言えば、誰が何の業務を行うかについて明確化されていますね。

しかし、悪く言えば融通が利かないと言い換えることも出来ます。

これがもし医薬品卸の配送さんだったら、柔軟に対応してくれると思うんですよね。


○○の件については自分には分かりかねるので、会社から○○様に連絡させましょうか?
または、営業担当の△△から連絡させましょうか?
××の件でしたら、営業担当の△△が詳しいので、すぐにご訪問するように申し伝えます!

実際、私がMSだった頃は配送さんからの連絡を受けて、取引先からの返品要望や価格要望に応えるべく訪問活動することも多かったですからね。

どれもこれもたらればの話ではありますが、医薬品卸だからこそ柔軟かつ素早く対応できている部分は確実にあります。

佐川・ヤマト・日通の物流機能は確かに優れていると思います。

しかし、配送に伴う融通や柔軟さというサービス面で言えば、やはりまだまだ医薬品卸に軍配が上がるのではないでしょうか?

まとめ:医薬品卸がなくなると困る人間が大勢いることは間違いない!


この記事はもし医薬品卸がなくなると何が起こるか?というテーマで書いてみました。

再三のことで恐縮ですが、これらはあくまで全て仮定の話です。

しかし、もしその仮定が現実のものとなったとき、いざ困る人間というのは各方面にいると思います。

急配や返品といった半ばサービス業務と化している要素を含めて、医療機関や患者が受けている恩恵は大きいです。

製薬会社のMR(営業)が一般的な営業職とは異なり、代金回収や請求書などの書類仕事をしないで済んでいるのは、医薬品卸が代理店として動いてくれているからです。

こんな風に、医薬品業界の構造だとか、医薬品卸が普段行っている業務について読み解いていくと、医薬品卸が果たしている社会的な役割というものが見えてきます。

…というワケで、この記事の結論です。

医薬品卸がなくなると、困る人間は大勢いる!!

この一言に尽きます。

実ところ、私が医薬品卸でMSとして働いている頃は、こういった視点は一切なかったのですが…

医薬品卸から離れたことで、医薬品卸の存在意義について客観的な視点で分析できるようになりました。

まだまだ医薬品卸は社会から必要とされている業種です。

さすがに今から50年後や100年後ともなれば、医薬品卸という業種そのものが消滅しているかも知れませんが…

少なくとも、決して今すぐにはなくならない。

いや、なくなってはダメなのです。

どうか医薬品卸で働いている皆さんは、社会的な意義のある仕事をしていることを踏まえて、これからも頑張ってほしいと思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!






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コメント

  1. よね より:

    とてもよい記事をありがとうございます。卸の重要性がよく理解できました。これらのサービスを無料でおこなっているのであれば卸以外の流通業者の参入障壁は高そうですね。逆に社会インフラとして確立されているだけに、急配などは有償でもよいのではないかと感じました。

    • ヒサシ より:

      よねさん

      コメントありがとうございます!
      医薬品卸って目立たない存在ですけど、社会的にはとても重要な立ち位置にいる業種だと思っています。

      私自身も急配は過剰サービスだと思うのですが、その反面、急配があるからこそ救われている人(特に患者)がいるのも事実です。
      ちなみに、医薬品卸が急配を有償化するという噂は10年以上も前から囁かれていますが、どこの卸も実行していません。

      現場で働くMSにとって、急配が有償化する(=急配が減る)のは大歓迎なのですが…
      その一方で、急配の有償化によって売上シェアを落とすリスクもあります。

      会社目線だと、そういったリスクを危惧しての有償化に踏み切れずにいるのでは?
      …と、個人的に思っています。