こんにちは、アラサーMRのヒサシです。
突然ですが、皆さんはMSからMRへの転職についてどう思いますか?
現役MSの皆さんは、MRに転職したいと考えたことはありますか?
現役MRの皆さんは、MSはMRに転職するべきだと思いますか?
医薬品業界にて、MS⇒MRへの転職は珍しいことではありません。
このような記事を書いている私自身も、MSからMRに転職した人間の1人ですからね。
元MSの本音!医薬品卸のMSを辞めたいと思った理由について語る!
医薬品卸のMS(営業職)はどのような転職をしている?元MSが実体験を語ります!
その一方で、MSからMRに転職すれば充実した生活が待っているかというと、必ずしもそうではない。
MRという職業は、決して良いことばかりではないのです。
上司からのプレッシャー、先輩からの苛め、担当エリアの不遇、理不尽な売上目標。
こういったネガティブな要素によって、現在進行形で苦しんでいる元MSのMRは数知れず。
最終的にはMRとしての働き方に嫌気が差してしまい、MRを辞めるという選択をする元MSも一定数います。
この記事で紹介する私の後輩MRがまさにそれです。
その後輩MRは【地場卸】のMSとして働いていたものの、一念発起してMRに転職してきた人間です。
しかし、彼はMRとしての職場環境や人間関係に馴染むことが出来ず、他の業界へと転職していきました。
このように、MRを辞めていく元MSは一定数存在するのです。
そんなMS⇒MRの転職の裏側にある負の側面を含めて、元MSかつMRを辞める選択をした後輩について記事を書いてみました。
(※これ以降は元MSの後輩MRについてF君と書かせていただきます。)
最初に:MSからMRへの転職は良いことばかりではない!
F君の転職事情をお伝えする前に、MS⇒MRの転職についてお伝えしたいことがあります。
MSからMRへの転職は、良いことばかりではありません!
当然のことながら、悪い側面も確実に存在しています。
少なくとも、私はそのように考えています。
ですが、世の中ではMS⇒MRの転職について、良い側面だけが一人歩きしているような気がしてなりません。
転職に伴うリスクについて、どうも過小視している人たちが多い印象があるのです。
例えばですが、Googleなどで『医薬品卸 MS 転職』と検索すると、たくさんの広告・記事などがヒットします。
こういった広告・記事などに目を通して見ると、MS⇒MRの転職について色々な成功体験が紹介されています。
これらの広告・記事における内容について、私は嘘ではないと思っています。
確かに、MS⇒MRへの転職にはメリットが複数ありますからね。
それは私が身を以て経験していることです。
しかし、これがMS⇒MRの転職における全容かというと、決してそんなことはない。
後述するF君のエピソードを含めて、MRを取り巻く環境にはマイナス要素も多いのです。
…にも関わらず、ネット上には美辞麗句を並べた広告・記事が大量に溢れています。
こういった現状について、私はすごく違和感があるんですよね。
特に、ネット上の記事・広告では『MSはMRに転職するべきだ!』みたいなフレーズをよく見かけます。
まるで“MSからMRに転職することは正義”とでも言わんばかりの論調。
ですが、こんなものは転職ビジネスによって儲けたい人々が声高に叫んでいるだけです。
代表的な例としては、求職者の転職によってクライアント企業から報酬をもらいたい転職斡旋会社。
他には、アフィリエイトという仕組みによって紹介料を稼ぎたい個人ブロガー。
彼らの主張の裏側には『金を儲けたい』という意図があるのです。
転職者が増えれば、その分だけ儲かる人間が世の中には存在しているのです!
…とはいえ、私自身はこういったビジネスの構図自体を否定しているワケではありません。
転職したい人間のことを適職へと導くのなら、それも1つの社会貢献です。
…が、あたかも『MSからMRに転職すれば充実した生活が待っている!』と言わんばかりの語り口。
こんなもの、MSが転職するように誘導するための甘言に過ぎない。
ともすれば、転職後のMSの生活について真剣に考えているとはどうしても思えない。
詰まるところ、彼らは転職ビジネスによって儲けたいからこそ、過剰に煽っているのです。
“煽る”という行為の是非はともかく、彼らは主張に耳を傾けてみると、転職に関する成功体験が高頻度で登場します。
でも、ちょっと待ってほしい。
MS⇒MRの転職について、成功体験の裏側には、必ず失敗体験も存在しています。
これから紹介するF君のエピソードこそ、結果だけを見れば“失敗”に分類されます。
繰り返しになりますが、MS⇒MRの転職は良いことばかりではないのです。
F君は上司(会社)からのプレッシャーに苦しんでいた
ようやくといった感じですが、ここからF君がMRを辞めるまでの経緯について触れていきます。
F君は私の後輩だったMRですが、こんな感じの人です。
・年齢:20代後半
・性別:男性
・担当施設:旧帝大を含む専門施設
・担当領域:某スペシャリティ領域
・経歴:医薬品卸のMS⇒製薬会社のMR
・ヒサシとの関係:同じ支店の先輩・後輩
F君について特筆すべき点は、20代後半という若さで旧帝大を担当していたという点です。
MRの担当施設として、大学病院の中でも旧帝大は別格です。
当然、F君は支店内でも最大規模の売上目標を課されていました。
このことから、F君のMRとしての実力が窺えます。
事実、F君は努力家であり、その甲斐あってMS出身でありながら社内での評価は高かったのです。
さて、F君がMRとして活動していた当時、私は隣県を担当していました。
担当エリアが比較的近いこともあり、私はF君と会話する機会も多かったのですが…
支店会議などの場面で、上司がF君に期待している雰囲気は凄く伝わってきました。
おそらく上司(会社)としては、『F君に成長してほしい』という意図があって旧帝大を担当させていたのでしょう。
ですが、当のF君にとっては旧帝大を担当することは不本意だったようです。
実際のところ、夜遅くまで仕事に追われ、大きすぎる売上目標に苦しみ、上司からのプレッシャーに辟易するF君。
MRの仕事って、しんどいですね…。
こんな感じで、F君は徐々に愚痴をこぼすことが多くなっていきました。
F君が心身共に疲弊しているのは誰の目にも明らかでした。
F君は職場での人間関係に嫌気が差していた
若くして頭角を現し、旧帝大を担当するまでになったF君。
そんなF君のことを面白く思わない先輩MRも多かったようで。
詳しい経緯までは知らないのですが、F君は支店内の先輩MRから色々な嫉妬の言葉を向けられていたようです。
度重なる先輩MRからの嫉妬攻撃に嫌気が差したF君。
そしてF君曰くですが、上司にそのことを相談しても何も解決しなかったとのこと。
それどころか、旧帝大の売上をもっと伸ばすように上司から焚きつけられる始末。
F君としては『旧帝大の担当を外されても構わない』という気持ちで上司に相談したらしいのですが、F君が望むような回答は得られなかったのです。
(※この一連の流れはF君本人から聞いて初めて知りました…)
大学病院の担当者は、近隣のエリアへの自社薬剤普及も求められます。
医局の人事情報を掴み、その内容について大学の関連施設を担当しているMRにも共有し、円滑に仕事を回す。
逆に、関連施設から得た情報をもとに大学病院での活動を効率的に行う。
私も大学病院を担当しているMRの端くれですので、この辺りの仕事の面倒臭さは理解できます。
…が、先述した先輩MRとの折り合いの悪さから、F君としては仕事がやりにくくて仕方なかったようです。
意地悪な先輩MRはどこにでもいますからね…
仕事は人間関係によって左右されると言いますが、まさにその通りだと思います。
F君はMRの『働き方』にも嫌気が差していた
F君がMRを辞める数か月前、F君と一緒にメシを食べたときのことです。
F君は人間関係のみならず、MRとしての働き方にも疑問を感じるようになっていたとか。
具体的には、こんな感じです。
詰まるところ、MRという職業のマイナス要素に嫌気が差してきたそうです。
20代で旧帝大を担当し、MRとしての実力があるF君ですらそう思うのか…
…などと、私なんかは色々と考えされられました。
依然として上司からのプレッシャーはキツく、先輩MRとの関係は良くない。
このままMRとして働き続けても、どうしても明るい未来像が浮かんでこない。
そんなこんなで、ついにF君はMRを辞めるというという選択をすることになります。
F君はIT関係の会社に転職していった
F君は公にはしていませんでしたが、MRとしての仕事をこなす一方で、実はこっそり転職活動をしていたようです。
そんな経緯もあり、F君は希望職種の内定が出た途端、速攻で退職していきました。
退職願いを出してから実際に退職するまで、約1ヶ月。
引継ぎなどを含めて慌ただしい状況でした。
(※ヒサシへの実害はなかったものの、上司や後任MRはメチャクチャ大変そうだった。)
そんなF君の転職先は、IT関係の会社。
私もF君から聞いた話によると、転職に伴って年収は少し下がるのだとか。
しかし、元々興味があった分野ということもあり、二つ返事でOKしたみたいです。
…というのが、F君の退職間際に聞いた話。
まあ、転職活動とは職場の人たちには知られないように行うのが鉄則です。
ヒサシを含め、F君が支店内の上司・同僚に転職活動のことを明かさず、スピード退職していった判断は賢いと言えます。
(※先述した通り十分な引継ぎをすることなく退職していったので、残される側としては釈然としない雰囲気もありましたが…)
そんなF君ですが、退職の間際にこんなことを言っていました。
とにかく“もう疲れた”というのがF君の本音だったのでしょう。
MRとしての仕事内容に疲れ、社内での人間関係に疲れ、医薬品業界の慣習に疲れてしまった。
疲れたから、もう頑張りたくない。
疲れたから、今の環境から脱出したい。
もっと自分が活き活きと働けるような職業に就きたい。
MRの好待遇を捨ててでも、別の業界・別の業種にチャレンジしてみたい。
F君の心情としては、こんな感じだったのかなぁと思わされました。
最後に:元MSのMRであっても辞めていく人間は一定数いるぞ!
MSからMRへと転職し、そしてMRとしての働き方に嫌気が差したF君。
20代という若さで旧帝大を担当しながらも、そのキャリアを捨てても構わないと思うほどに…です。
その根底には、人間関係の不和だとか、仕事内容への不服だとか、色々なものがあったに違いありません。
特に人間関係については、転職前に予測ができない要素の1つでもあります。
【実体験】転職に伴う最大のギャンブル要素とは『新しい職場での人間関係』ではないか?
MRに限った話ではありませんが、転職後の職場にクソみたいな上司・先輩がいて、そのせいで精神的に病んでしまうなんて話はザラにあります。
転職先にて人間関係を上手く築けなかったことについて、F君にも落ち度はあったかも知れません。
ですが、理由はどうであれF君が職場の人間関係によって苦しんでいたことは事実です。
そう考えると、F君はMRとしての職場環境に馴染めなかったとの見方もできます。
F君の言葉を借りるなら、彼はMSからMRへの転職について“失敗だった”と述べています。
結果だけを見れば、少なくともF君の視点では転職に失敗したということなのでしょう。
ネット上に溢れているMS⇒MRへの転職成功の広告・記事の陰には、F君のような転職失敗エピソードも存在しています。
繰り返しになりますが、MSからMRへの転職は良いことばかりではないのです。
頑張ってMSからMRに転職したとしても、不本意な展開となってしまう可能性はゼロではない。
もしMSからMRに転職することを考えている人は、このような負の側面があることを忘れないでいただきたいです。
転職は人生の分岐点です!
とにかく、転職は慎重に!!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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