医薬品卸のMSに関わる『施策(しさく)』について解説します!

MSと業界用語

こんにちは、元MSのヒサシです。

医薬品卸の営業職であるMSには、日頃から様々なノルマが課せられています。

その中の1つに施策しさくと呼ばれるものがあります。

これは医薬品卸と製薬会社との間で協議され、各地の営業現場に降りてくるタイプのノルマです。

この施策という名のノルマを達成することで、その達成内容に応じた報酬(お金)が製薬会社から医薬品卸へと支払われます。

(※この報酬は【アローアンス】という別名で呼ばれることもあります!)

ここで製薬会社から医薬品卸へと支払われた報酬(お金)は、当然ながら卸内では利益として扱われます。

巡り巡って、社内の新しいプロジェクトを立ち上げるための資金になったり、あるいは社員たちの給料になったりもします。

こういったお金の流れを考えてみると、医薬品卸にとって施策とは、とても大切な存在であることが理解できるかと思います。

ヒサシ
ヒサシ

つまり、医薬品卸にとっては“メシタネ”とも呼ぶべき存在なのです!

ちなみにですが、施策という文字は『しさく』と読みます。

初めてMS(営業)として働く人にとっては、もしかしたら馴染みがない言葉かもしれません。

このような記事を書いている私自身も、医薬品卸に入社したばかりの頃は『施策』という文字の読み方がよく分からなかったので。(汗)

【補足:施策の読み方について】

医薬品卸の社員には施策のことを『せさく』と読む人もいます。

本来の読み方は『しさく』なのですが、なぜか医薬品卸内では『せさく』と呼ばれることも多いのです。

今思えばですが、私がMSだった頃の上司や先輩には『せさく』と読むタイプの人たちが多かったです。

ちなみに『せさく』とは施策の慣用読みとされており、決して間違いではありません。

付け加えると、『しさく』だろうと『せさく』だとうと、施策という文字の読み方なんて社内では誰も気にしていません。

あまり気にせず、自分にとって読みやすい方を覚えておけばOKです!

さて、そんな施策ではありますが…

現場に降りてくる施策には、本当に色々なタイプのものがあります。

過去の私がそうだったように、新人MSにとっては混乱必至かと思います。

そこで、この記事ではMSに関わる施策の意味や内容について、MS未経験者でも分かりやすいように、かみ砕いて解説することを心掛けて書きました。

施策について知っておきたい人は、この機会に是非ともご一読ください!

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MSに関わる施策の種類

大体にして、施策と何なのか?

言葉の意味としては、策を施すこと。

あるいは、実行するべき計画のこと。

辞書で調べてみると、大体こんな感じですね。

しかし、医薬品卸内では営業現場に課される“ノルマ”の一種として定着している言葉です。

ただし、MS個人に課されている売上・利益・回収のノルマとは、全くの別物なんですよね。

簡単に言うと、売上などは個人に課されるノルマであり、施策はチーム(営業所あるいは営業部ごと)に課されるノルマみたいな感じです。

(※そうは言っても、施策は本当に多種多様なので、一概にそう言い切れない部分もありますが。)

さて、施策とはノルマとしての側面が強いので、当然ながら目標値というものが存在します。

Aという薬について、営業所の管轄エリア内で10軒に納入しなさいとか。

Bという薬について、MRと協力して開業医での説明会を3回開催しなさいとか。

Cという薬について、5人の医師に面会して処方理由を聞き取りして来なさいとか。

ここで挙げたのは、多数ある施策の中でも一部に過ぎませんが、イメージとしては大体こんな感じです。

これらについて、営業所あるいは営業部単位で取り組むというワケですね。

そして当たり前の話ですが、ノルマである以上、未達成だと上司から怒られることも多いです。(汗)

MSとして果たすべき義務であり、決して逃れられない仕事。

場合によっては、MSのことを苦しめることもあるノルマ。

それこそが医薬品卸における施策の正体です。

では、ここからは施策の中でも特に代表的なものについて、3つほど紹介させてもらいます。

① 販売系の施策

MSにとっては最も身近で、なおかつ最も苦しむことが多いであろう施策です。

早い話、薬をたくさん売れば売るほど、製薬会社から医薬品卸への報酬(アローアンス)が入ってくる仕組みなんですよね。

このことから、営業現場で働いているMSには上司(または本社)からのプレッシャーが重くのし掛かってきます。

何と言っても、MSがどれだけ頑張るかによって、会社に入ってくるお金が大きく変わってきますからね。

つまり、MSにとっては責任重大な仕事だということです。

そんな販売系の施策ですが、代表的なものとしては『軒数企画』と『グロス企画』に大別されます。

(※グロスとは『売上の総額』を指す言葉です。)

具体的には、各地の営業所(または営業部)に下記のようなノルマが課せられます。

軒数企画

・Aという薬を、月末までに営業所の管轄エリア内にて100錠ずつ10軒に納入する。

・Bという薬を、月末までに営業部の管轄エリア内にて500錠ずつ5軒に納入する。

グロス企画

・Dという薬を、月末までに営業所として100万円販売する。

・Eという薬を、月末までに営業部として1,000万円販売する。

こうして文章として読むと簡単そうに見えるかもしれませんが、このような販売系の施策はかなり難易度が高いです。

なぜかと言うと、自然に売れる範囲を大幅に超えたノルマを課せられることが多いからです。

例えばですが、Aという薬を月末までに10軒納入するというノルマがあるとします。

しかし、その営業所ではAという薬を普段買ってくれている取引先が7軒しかない。

このような場合、残り3軒の納入ノルマを何とする必要があるのですが…

ここがMSにとって大変なポイントでして、この残り3軒のノルマを埋めるためにMSは苦労することになります。

多くの場合、MSは様々な取引先へと赴き、Aを余分に買ってもらうように交渉します。

いわゆる【詰め込み販売】というヤツです。

しかし!!!

ここで忘れないでほしいのは、取引先にとってAという薬は『本来なら余分に買う必要なんてないモノ』だという点です。

そんなAを買ってくださいと取引先に交渉するのは、MSにとって骨の折れる仕事なんですよね。

私自身もMSだった頃、このような販売系の施策には大いに苦しめられたものです。(汗)

 

MS時代に大正製薬の超難関施策『鷲友会(しゅうゆうかい)』で苦しんだ体験談

毎年1月は『パタノール点眼液』の“詰め込み販売”で苦しんだ体験談

 

このような販売系の施策は、月末が〆切期限として定められていることが多いです。

つまり、月末までにノルマを達成すればセーフ。

一方で、月末までにノルマを達成できなければアウト。

このような性質により、MSは月末の最終日であっても取引先を訪問しまくるのが日常茶飯事となっています。

② 同行系の施策

このタイプの施策では、製薬会社のMRが大きく関わってきます。

なぜかと言うと、MSとしてMRとの同行を行い、その内容をMSが会社に報告することでノルマとしてカウントされるからです。

さて、一言で『MRとの同行』とは言っても、その形は様々です。

例えばですが、MRと一緒に医師に面会し、特定の薬について紹介したとします。

その一部始終を社内で報告して初めて、施策の実績としてカウントされたりとか。

あるいは、MRと一緒に薬の製品説明会を行うことがノルマを満たす条件になっていたりとか。

何れにせよ、MRと一緒に何かをすることで施策達成として扱われるのがポイントです。

読者さん
新人MS

何だ、MRと同行するだけでOKなら楽勝じゃん!

…と思ったのなら、その考え方は改めた方が良いです。

実はこの同行系の施策ですが、MSにとってはそれほどラクな仕事ではありません。

なぜかと言うと、もし担当エリア内のMRがMSに対して非協力的だと、ノルマを達成するのが難しくなるからです。

MRも人間ですから、当然ながら好き・嫌いの感情があります。

私自身もこのブログ内で幾度となく記事にしてきましたが、MRとして好きになれないMSは結構います。

(※MRから嫌われるMSの特徴については、以下の記事を参考にしてください!)

 

初対面でイヤ~な感じがするMSの特徴について現役MRの視点から考えてみる!

説明会などの場面でMRに弁当をねだる『身勝手なMS』について思うこと

MRに無断で『詰め込み販売』を行うMSの罪深さについて語る!

 

ここで覚えておいてほしいのは、MSとMRの関係性によっては同行が実現しないという点です。

誤解を恐れずに真実を言うと、嫌いなMSとはなるべく関わりたくないと思っているMRは大勢います。

ヒサシ
ヒサシ

かくいう私自身も、一部のMSとは距離を置いていますので…(汗)

いくら施策が医薬品卸と製薬会社との間で取り決められたものとはいえ、最前線で働いているMRの協力を得られるとは限らないのです。

MSから同行を頼まれたからといって、もしMRがそのMSのことを嫌っていたら、同行の依頼に応じないこともフツーにありますからね。(汗)

その他に同行を断られる理由としては、MRが既に他の卸のMSと手を組んで活動していたりとか。

MR
MR

他のMSさんと同行予定があるので、あなたと同行しなくても間に合っています!

…といった感じですね。

こういったパターンもフツーにあります。(汗)

以上のことから、同行系の施策では良くも悪くもMRの存在が重要になってくるのです。

③ 調査系の施策

これはMSが単独で行うことが多い施策ですね。

調査と言うと堅苦しく感じるかもですが、要するにアンケートみたいな感じです。

例えばですが、ある開業医でAという薬剤の“処方理由”について尋ねたりとか。

Aを使う理由は、薬の『効果』が良いからなのか?

あるいは、Aという薬の『安全性』を評価しているのか?

はたまた、Aの薬価が『安い』から患者の財布に優しいと考えて処方しているのか?

こんな感じのことを医師に面会した時に医師に尋ねて、そこで聞き取りした内容を会社に報告するというワケですね。

ヒサシ
ヒサシ

ちなみに、報告時の様式(フォーム)は卸によって様々ですよ!

この調査系の仕事にも〆切はありますが、MSが自分のペースで行えます。

そのため、先ほどお伝えした販売系・同行系の施策よりは幾らか楽です。

ただし、この調査系の施策は『調査1件につき〇〇〇円』という形で報酬が発生することも多いです。

従いまして、調査の件数が少ないMSは『もっと沢山の医師に会って調査してこい!』などと上司から指摘されることもあります。(汗)

このことから、調査系の施策についてはMS同士で比較される相対評価としての側面があるとも言えます。

よって、調査系の施策に臨むときは、他のMSがどのくらい頑張っているのかという点も意識しながら活動すると良いでしょう。

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まとめ:MSにとって『施策』とはノルマの一種である!

医薬品卸で働くMSにとって、施策からは絶対に逃げられません。

なぜかと言うと、施策とはMSにとってのノルマであり、仕事として課せられた以上は達成する義務があるからです。

そもそも、ノルマとは一体何でしょうか?

今さら言うまでもないことですが、敢えて書かせていただきます。

ノルマとは『達成しなければならない作業量や成績』を指す言葉です。

これは即ち、達成することで初めて意味を成すモノでもあります。

ノルマと聞くとイヤな気持ちになる人も多いかもしれませんが、これがMSを取り巻く施策についての現実です。

繰り返しになりますが、医薬品卸は施策によって製薬会社から報酬(お金)を貰う立場です。

会社として、製薬会社からの報酬が欲しい。

なぜなら、会社としてゲットできる報酬は多いに越したことはないから。

医薬品卸の本社はそのように考えているからこそ、営業現場には何としても施策を達成してほしいのです。

こういった背景があるので、本社は営業現場に対して“ノルマ”という形で仕事を課してくるとも言えます。

ヒサシ
ヒサシ

医薬品卸にとって、施策は“達成してナンボ”なんです!

施策を達成すれば、製薬会社からの報酬が入ってくるので万々歳。

施策を達成できなければ、上記の報酬が入ってこないので社内では非難轟々。

施策に取り組む上で、達成できるかどうかはMS次第。

場合によっては、未達成で終わってしまうのもMS次第。

このような事情があるので、全国各地のMSたちは施策達成のために今日も頑張っているのです。

この記事を読んで、施策についての理解が少しでも深まったのなら幸いです!

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

 

コメント

  1. 焼き肉と言ったらホルモン より:

    今晩はヒサシさん!因みに私はセサク派でした。年数が経つにつれシサクと言うことも増えてきたかなぁ…でも書かれている様にそんな事はハッキリ言ってホントどうでもいいことで会社にとってみれば達成すれば与作でも吾作でもいいんですよね(^◇^;) 私の入社した頃には同行系の施策はまだ殆ど無かった様に記憶しています。また調査系は○○を月間何錠使っていて✖️は何カプセル使っている、の様な感じだったように思い出されます。ところで同行系の施策はMRさん達には会社からはなるべく(卸は儲けが無くてかわいそうだから)同行してやって利益を取らせてやれ、と指示が来るのでしょうかね?そんな感じがして仕方なかったです。何故かっていうと私の周りのMR諸氏は同行系の施策には気の毒に思って?おおよそ優しかったように思っていました。実際はどうなんでしょうか

    • ヒサシ ヒサシ より:

      ホルモンさん

      コメントありがとうございます!
      私の会社では同行系の施策は殆ど無いのですが、他社MRに話を聞いた限りだと、内心では煙たがっている印象があります。

      ホルモンさんも知っての通り、MSとMRの同行によって薬の処方が伸びるかと言うと、決してそんな事はないですよね。
      互いに予定を調整するのも手間ですし、現場のMRにとっての“旨味”は乏しいのが実情なのかなと思います。

      利益獲得のためにMSは会社からの指示に従うしかないのですが、MRの目線で考えてみると必ずしも歓迎できない仕事。
      その辺りが同行系の施策による“負の側面”なのかもしれません。

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