1月は毎年『パタノール点眼液』の詰め込み販売で苦しんだ体験談

こんにちは、アラサーMRのヒサシです。

2021年になってから初めての記事を書いています。

年初の記事にしては暗いテーマの体験談記事になってしまいましたが、どうか許してください。(汗)

さて、このブログでは何度も医薬品業界における詰め込み販売(通称:詰め)について記事を書いてきました。

医薬品卸のMSを苦しめる『詰め込み販売』とは?元MSが業界内の悪習を暴露します!

MRに無断で『詰め込み販売』を行うMSの罪深さについて語る!

私はMSだった頃、毎月のように繰り返される詰めによって、MSという職業に嫌気が差してしまったほどです。

明けても暮れても、詰め、詰め、詰め。

どの品目を何回詰めたのか、マジで見当も付きません。

そんな数多の『詰め』の中でも、私が特に苦しんだエピソードについて紹介していこうと思います。

さて、今回のテーマはパタノール点眼液です。

毎年1月になると必ず詰めの企画(施策)が発生するパタノール点眼液ですが、この薬剤のおかげで私は何度苦しんだか分かりません。

もちろん、パタノール点眼液そのものに罪はありません。

それどころか、良い薬だと思います。

私も花粉症の時期になると処方されることもありますからね。

しかし…しかしです。

MS時代の私にとって、パタノール点眼液は詰めようとしても詰められない、まさに天敵とも呼ぶべき存在でした。

そんなMS時代の暗いエピソードを語って参ります。




『パタノール点眼液』とは?


この薬剤はある程度経験を積んだMSなら知っていることかと思います。

ですが、パタノール点眼液を全く知らない人のために、簡単にですがこの薬剤について紹介しますね。

・適応⇒『アレルギー性結膜炎

・販売元⇒協和発酵キリン

・製造販売元⇒ノバルティスファーマ

・その他⇒花粉症シーズンになると大量に使われる。

点眼液とは、平たく言えば目薬です。

花粉が大量に飛ぶ3月~5月くらいになると、目が痒くなる時がありますよね?

パタノール点眼液とは、そんなときに使われる薬剤です。

そのため、眼科や耳鼻咽喉科にて主に処方されます。

ただし、裏を返せば眼科・耳鼻咽喉科を担当していないMSにとっては中々扱う機会がない薬剤であるとも言えます。

そんなMSほど、毎年1月のパタノール点眼液を詰めるときに苦しむハメになります。

そう、MS時代のヒサシのようにね。

毎年1月は『パタノール強化月間』だった


そもそも、なぜ花粉が飛び始める前の1月にパタノール点眼液を詰めるのか?

もし詰めるとしても、実際に花粉が飛ぶ3月くらいからで十分ではないのか?

どんなに早くても、花粉が飛ぶのは2月下旬くらいではないのか?

うーん、不思議ですよね。

…ってか、今でも不思議に思います。

なぜ毎年1月にパタノール点眼液を詰めるのかについて、その理由には諸説あります。

ただ、私がMS時代に聞いた有力な説はこうです。


花粉が飛ぶ前の1月時点でパタノール点眼液を詰めておけば、2月以降の処方に前もって備えることができる。
それを見越して、毎年1月になると協和キリンは医薬品卸にフィー(アローアンス)を払い、パタノール点眼液を詰めさせる。
1月に詰めた分は2月~3月くらいに花粉が飛ぶのと同時に開封され、返品になることもなく消化される。

これは私がMSだった頃、同じ営業所にいた先輩MSかつ協和発酵キリンのプロモーターが言っていた言葉です。

その先輩MSはメチャクチャ仕事ができるエース格のMSだったので、あながち間違ってはいないのでしょう。

さて、当たり前の話ですが1月の時点ではパタノール点眼液の需要なんて殆どありません。

パタノール点眼液が真価を発揮するのは花粉症シーズンですから、まあ当たり前ですよね。

つまり、取引先の開業医や調剤薬局にとって、1月の時点では要らない薬なのです。

そのことを承知で、MSは取引先にパタノール点眼液を買ってくださいなどと頼むのです。

当然、取引先からは嫌な顔をされます。


パタノール点眼液なんて、今は要らないよ。
花粉シーズンでもないのに、なんでパタノール点眼液を買わせようとするの?
ちょっとさぁ、おかしくない?

こんな言葉を何度浴びたでしょうか。

さも迷惑そうに私(MS)のことを見る取引先の目…

まるで昨日のことのように思い出せます。

しかも、パタノール点眼液の詰めは各医薬品卸が一斉に行います。

アローアンスが欲しい医薬品卸と、売上を立てたい協和発酵キリン。

両者の思惑の絡み合った結果として、各社のMSはパタノール点眼液を詰めるために東奔西走するのです。

こんな状況ですから、取引先からしたら堪ったもんじゃありません。

何しろ、各社のMSが次々とパタノール点眼液を買わせようとしてくるのです。

そりゃMSに対して文句の一つでも言いたくなるでしょう。

でも、MSとしては詰めなきゃいけない。

どんなに嫌な顔をされようとも、買ってもらわなきゃいけない。

だから辛いのです。

尋常ではない軒数ノルマ


今はどうか分かりませんが、私がMSだった頃はパタノール点眼液の詰める軒数を追われました。

しかも、その軒数が半端じゃない。

その営業所がカバーしている眼科・耳鼻咽喉科・門前薬局の軒数を考えても、明らかに詰めるノルマ軒数の方が多い。

私が所属していた営業所では、毎年30~40軒くらいの詰めをやらされました。

一応、パタノール点眼液は普通の内科でも使われることはあります。

それに、眼科・耳鼻咽喉科の門前ではない、いわゆる面調剤の薬局に納入しても軒数カウントされます。

…ということを考えると、会社としては不可能ではない軒数ノルマだと思っているのでしょうね。

ですが、現場のMSにとってはクソ食らえって話です。

眼科や耳鼻咽喉科への詰めだけでも苦しいのに、さらにパタノール点眼液の需要が少ない一般内科や面調剤で詰めてこいだと?

そんな取引先が快くパタノール点眼液を買ってくれると思っているのか?

ふざけんじゃねぇぇ!!

…と、私も、同僚のMSも、皆で同じことを言っていました。

でも、MSとしては会社から詰めろと言われたら詰めるしかない。

つまり、MSに拒否権などないのです。

だから辛いのです。

眼科や耳鼻咽喉科を担当していないMSは地獄を味わう


当たり前の話ですが、このパタノール点眼液の詰めは眼科や耳鼻咽喉科を担当しているMSほど楽です。

普段から多少なりともパタノール点眼液を使っているでしょうから、詰めの交渉をするにしても難易度は下がります。

一方で、眼科・耳鼻咽喉科の担当軒数が少ない、あるいは全くないようなMSにとっては地獄です。

細々と、白々と、一般内科や面調剤に詰めのお願いをするのです。

何とか買ってくれないかと頭を下げて頼み込み、そして高確率で断られます。

その後はひたすら途方に暮れるのみです。

俺、何でこんなことをやっているんだ…?

そんな風に何度思ったか分かりません。

つまり、これはMS時代におけるヒサシの実体験です。

あのときの絶望感・憂鬱感・焦燥感は一生忘れることはないでしょう。

ちなみに、当時の協和発酵キリンプロモーターはMS1人につき5軒詰めてこいみたいな指示を出す人でした。

他の先輩MSは期日までにキッチリ5軒詰めてくる一方で、私は3軒詰めるのがやっとという状態でした。

そして、ノルマ未達で帰社する度にプロモーターや上司から怒られる。

当時は私も若かったので、自分は眼科・耳鼻咽喉科の担当軒数が少ないとの理由で反論しました。

ですが、プロモーターや上司にとっては、若造が口答えしているようにしか聞こえなかったことでしょう。

実際、プロモーター&上司からはこんなことを言われました。


普段から眼科・耳鼻咽喉科の取引軒数を増やす努力をしてこなかったお前が悪い。
一般内科や面調剤でも詰めているMSだっているんだ。
なのに、なぜお前は出来ないのか?
言い訳している暇があったら、もう一度詰めの交渉をしてこい。

すいません、当時のことを思い出しながら書いていたら、段々と腹が立ってきました。(汗)

今思えば、プロモーターや上司の言い分も分からなくもないです。

パタノール点眼液のノルマ軒数が多過ぎて、プロモーターもMS1人につき5軒という大雑把な指示を出さざるを得なかったのも理解できます。

しかし、MSだった頃の私にとって、彼らの物言いが不愉快であったことも事実です。

会社がアローアンスを得るために、自分(MS)はこんなに苦しんでいるのだろうか。

取引先を困らせてまで、会社はアローアンスが欲しいのだろうか。

もしそうなら、こんな会社は潰れてしまえば良い。

そんな堂々巡りをしていました。(汗)

最後に:パタノール点眼液を詰めている全てのMSよ、頑張れ!!


私がMSをやっていた頃とは変わっているかも知れませんが、1月のパタノール点眼液の詰めは相当しんどいです。

何しろ、軒数のノルマがエグいことこの上ない。

ましてや、この記事を書いている2021年の1月はコロナ禍の真っ最中です。

しかも首都圏では2回目の緊急事態宣言が出されました。

パタノール点眼液に限った話ではありませんが、この状況で詰めを行うのは至難の業でしょう。

MSとして挫折した私がこう言うのも妙ですが…

とにかく、全国のMSには詰めに負けずに頑張って欲しいです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!






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