なぜ医薬品卸の営業所は『デポ』と呼ばれるのか?語源も含めて元MSが解説します!

MSと業界用語

こんにちは、元MSのヒサシです。

医薬品業界において、医薬品卸の営業所はデポと呼ばれています。

デポとは何なのか?

なぜフツーに『営業所』とか『オフィス』という呼び方をしないのか?

医薬品卸の新入社員だった頃、私には不思議で仕方ありませんでした。

ヒサシ
ヒサシ

もしかして、デポジット(預かり金)の略称か?

…などと思っていた時期もあるくらいでした。(汗)

デポという言葉の意味について、新入社員向けの研修で習った記憶はない。

先輩MSに尋ねてみても、イマイチ要領を得ない回答しか返ってこない。

それどころか、先輩MSからは『卸の営業所はデポなんだから、とにかくデポという言葉を覚えておけば良いんだよ!』などという暴論(?)を突き付けられたことすらあります。

新人MSだった頃の私にとって、地味ながら謎に満ちた言葉。

それが『デポ』という単語でした。

この記事を読んでくれている読者さんにとっても、デポという言葉の意味が分からないからこそ、この記事に辿り着いたのではないでしょうか?

…ということで、まずこの記事の結論からお伝えします。

デポ』とは『小型の物流拠点』を指す言葉です。

ちなみにですが、人によっては『デポ』ではなく『建屋たてや』という呼び方を好んで使う人もいます。

実は医薬品業界だけでなく、他の物流に関する業種でも『デポ』という言葉は用いられています。

語源は英語の『depot』であり、これをそのまま日本語風に発音した言葉が『デポ』です。

『デポ』には貯蔵所・倉庫といった意味だけでなく、停車場・駅・バス発着所という意味もあります。

医薬品卸とは知っての通り、医薬品の物流を担っている業種です。

そんな医薬品卸の拠点ですが、営業所という形で全国の都道府県に点在しています。

なおかつ、医薬品卸の営業所は殆どの場合、オフィスと倉庫を兼ね備えており、まさに物流の拠点として機能しています。

だからこそ、それらの営業所が『デポ』と呼ばれているワケです。

しかし!!!

デポ』=『医薬品卸の営業所』かと言うと、必ずしもそうではありません。

ヒサシ
ヒサシ

要するに、例外も存在するということです!

そこで、この記事では業界内におけるデポという2文字について、とことん掘り下げて解説しています。

新人のMSさん、あるいは医薬品卸に興味がある人は是非とも参考にしてください!

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『デポ』の構造・機能とは?

医薬品卸にとって、デポとは『小型の物流拠点』を指す言葉です。

でも、物流拠点ってぶっちゃけ曖昧な表現ですよね。

そもそも、“小型”があるなら、“大型”もあるのか?

物流拠点とは、具体的に何をする場所なのか?

大体にして、デポにはどのような機能があるのか?

そこで働いているのは、一体どんな人たちなのか?

この辺りのことを文字だけで説明するのは大変なので、簡単な模式図を用意してみました。

※デポに備わっている機能のイメージ図

ご覧の通り、医薬品卸のデポには複数の機能があります。

デポという大枠の中に、営業(MS)のオフィス・薬の倉庫・配送を行うスペースなどが凝縮されている感じですね。

営業用のオフィスには、そこに勤めているMSたちのデスクがあります。

デポによっては『営業(MS)用のフロア』なんて呼ばれ方もしますが、ここには製薬会社のMRも訪問してきます。

付け加えると、オフォスにはMSだけでなく、事務職・管理薬剤師・所長のデスクも配置されていることが多いです。

倉庫には文字通り医薬品が貯蔵されていて、必要に応じて倉庫係の人たちが出庫&入庫を行っています。

その倉庫と隣接するような形で、配送スタッフが薬の積み荷を整理したり、場合によっては荷降ろしも行うスペースも設置されています。

いかがでしょうか?

簡単に言うと、デポとは色々な職種の人たちが集まって運営をしている“基地”のようなイメージです。

よって、MS(営業)が集っているオフィス単体だけを指して『デポ』と呼ぶのは間違いなんですよね。

正確には、そのオフィスが入っている建物全体をひっくるめて『デポ』と呼ぶのです。

ヒサシ
ヒサシ

建物の構造にもよりますが、1階が倉庫&出荷スペース、2階が営業用オフィスになっているようなデポもありますよ!

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『デポ』と『物流センター』の関係性

この記事の序盤で『デポとは小型の物流拠点である』とお伝えしました。

デポが小型の物流拠点なら、大型の物流拠点は何と呼ぶのか?

その答えは『物流センター』です!!

デポを最前線で頑張っている基地とするなら、物流センターはそれらの基地を管轄している大本営のようなイメージですね。

実際のところ、医薬品は物流センターからデポへと運送されてきます。

ちなみにですが、デポ&物流センターの関係を模式図として表すと、大体こんな感じです。

※デポと物流センターの関係 イメージ図

物流センターが“”ならば、各地のデポは“”といったところでしょうか。

ご覧の通り、医薬品の貯蔵庫という意味では、物流センターこそが本丸です。

ヒサシ
ヒサシ

まさに医薬品卸にとっては物流の要であり、心臓部とも言えるような場所なのです!

そんな物流センターに対して、各地のデポは医薬品の出荷要求をしています。

例えばですが、デポAからはA薬を一度に100箱くれという要求が来たり。

デポBからはB剤を毎日10ケースずつ送って欲しいとの要求が来たり。

そのような各デポからの医薬品要求について、常日頃から応えているのが物流センターなのです。

当然、倉庫としての規模も大きいことから、物流センターではデポ以上に沢山の人たちが働いています。

『物流センター』の内部に『営業用オフィス』がある場合

数としては多くありませんが、物流センターの中に営業(MS)が勤めているオフィスが存在していることあります。

ここで言うオフィスとは、デポ内にてMSのデスクが並んでいるようなオフィスと全く同じです。

物流センター自体はとても大きな建物ですので、その中のフロアを営業関係の部署用として使われることもあるんですよね。

例えばですが、物流センターの中に『A営業所』や『B支店』が入っていたりするワケです。

ところで、ここで1つ注意点があります。

実は、上記のようなA営業所・B支店などは『デポとは呼ばれません!

なぜかと言うと、物流センター(大型の物流拠点)の内部に存在しているという時点で、デポという定義には当てはまらないからです。

“デポ”とは呼ばれない場合のイメージ図

繰り返しになりますが、デポとはあくまで『小型の物流拠点』を指す言葉です。

付け加えると、デポとは必ずしもMSが勤めている営業所(営業用オフィス)を指しているワケではありません。

よって、今回のような場合だと『デポ』という呼称は正しくないのです。

ヒサシ
ヒサシ

何となく、理解できるでしょうか?

例えばですけど、何らかの用事があって、あるMSが物流センター内にある『A営業所』に行くような機会があるとします。

このような場合、言い方の正誤としてはこんな感じです。

:センター内にあるA営業所に行く。

:Aデポに行く。

つまり、物流センター内にある営業所(または支店)のことを『デポ』と呼ぶのは不適切なのです。

これを知らないと、MS(医薬品卸の社員)としては恥ずかしい思いをすることになります。

…と言うのも、過去の私がそうだったからです。

私は新人MSだった頃、自社・他社を問わず、医薬品卸の営業所のことは全て『デポ』と呼んでいました。

しかし、当時の上司からは『お前はデポという言葉の正しい意味を知っているのか?』『デポとセンターの区別は出来ているのか?』などと指摘を受けたものです。

そして、その直後にデポという言葉の意味をネットで調べること数分。

私はそれまでの認識が間違っていたことに気付き、とても恥ずかしい思いをしました。(汗)

ちょっと話が脱線してしまいましたが…

この記事を読んでくれた読者さんには、私のような恥をかかないで頂きたいと心から願っています。

余談:製薬会社の営業所(オフィス)は『デポ』とは呼ばれない!

ここで1つ、デポに関するマメ知識をお伝えします。

医薬品業界において、製薬会社の営業所(MRが出勤する場所)はデポ・・とは呼ばれません!・・・・・・・・・

これは一体なぜなのか?

この答えは単純明快でして、製薬会社の営業所(オフィス)には物流の機能が無いからです。

ご存知の通り、医薬品そのもの(現物)は医薬品卸が医療機関へと運んでいます。

製薬会社の営業マンたるMRが扱うのは、原則として自社医薬品の『情報』のみです。

言い換えれば、MRとしては自社医薬品の現物に直接触れる必要がない。

よって、製薬会社の営業所においては物流の機能なんて要らないのです。

物流の機能を持たない営業所。

医薬品の在庫を置いていない営業所。

出庫&入庫といった作業を行う必要がない営業所。

それはつまり、物流の拠点ではないという意味です。

以上のことから、製薬会社の営業所(オフィス)は『デポ』とは呼ばれないのです!

ヒサシ
ヒサシ

これは覚えておいて損はないです!

ちなみに余談ですけど、頻度としては多くありませんが、MSは製薬会社のオフィスに行くこともあります。

私はMS時代に大正製薬のプロモーターをやっていた関係で、大正のオフィスには幾度となくお邪魔しました。

(※そうは言っても、大正製薬に関しては苦い思い出の方が多いのですが…。)

 

毎年12月は『鷲友会』のために開催される大正製薬とのプロモーター会議が苦痛で仕方なかった体験談

 

まあ、大正製薬のことはさて置き…

このようにMSが製薬会社の営業所(オフィス)にお邪魔する場合、間違っても『○○製薬のデポに行く』などと言ってはいけません。

デポという言葉の意味を考えれば当然のことで、用語的には完全な誤りですからね。

このような場合は、素直に『○○製薬のオフィスに行く』などと表現するのが良いでしょう。

まとめ:『デポ』には営業・倉庫・配送などの機能が凝縮されている!

一言でデポと言っても、その中には多種多様な機能が集まっています。

当然、デポで働いている人たちも様々です。

営業用のオフィスで働いているMS。

その隣で内勤作業をしている事務さんや管理薬剤師。

医薬品の入庫・出庫・在庫点検などを行う倉庫係。

医薬品の荷造りや運搬を行う配送スタッフ。

これらの人々がかみ合って機能している物流の拠点。

それこそが医薬品卸における『デポ』の姿です。

そしてデポとは、必ずしも医薬品卸の『営業所(MSがいるオフィス)』を指している言葉ではありません。

事例としては多くありませんが、物流センター内にある営業所(または支店)は、決してデポとは呼ばれない存在です。

…とまあ、ここまで色々なことをお伝えしてきましたが、何となく医薬品業界におけるデポの意味について、理解してもらえたでしょうか?

デポという単語自体が業界用語であり、もしかしたら初耳の人も多いかもしれません。

なおかつ、知ったかぶりをして言葉の使い方を誤ると、その途端に恥をかいてしまうから厄介です。

ヒサシ
ヒサシ

そう、新人MSだった頃の私のように…(汗)

デポに限ったことではありませんが、言葉は常に正しく使いたいものですね。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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