医薬品卸のMS(営業職)の1日とは?元MSが詳しく紹介します!

こんにちは、アラサーMRのヒサシです。

今日はMS時代の1日のスケジュールについてご紹介します。

最近、何社かの医薬品卸のホームページを見る機会があったのですが、そこで紹介されている『MSの1日』という内容が脚色されまくっていることを知りました。

明らかに学生ウケを狙って書いているのが透けて見えるような内容です。

学生や転職希望者がこんなホームページの内容を鵜吞みにしたら大変だ!

入社した後、現実とのギャップが凄いことになる!

…と、思った次第です。

実際に、当初のイメージと違うとの理由で、1~2年でMSを辞めた人間を何人か知っています。

私は5年でMSを辞めましたが、やっぱり現実とのギャップに苦しんだ末に辞めるのは辛いものです。

当たり前のことですが、就職も転職も、MSという仕事を理解した上で決断する方が良いに決まっています。

そこで、元MSとして、MSに関する真実と本音を発信したいと思い立ちました。

どうぞ宜しくお願いします。




ヒサシがMSだった頃の取引先状況はこんな感じです!


・担当内訳:基幹病院2軒、中小病院5軒、開業医15軒ほど、調剤薬局20軒ほど

・営業所から車で1時間ほどの遠距離エリア

私は営業所がカバーしているエリアの中でも、特に自社シェアが低い地域を担当していました。

そのため、先輩MSと比べると担当軒数も少なめでした。

当時の上司としては、

『営業所に近くて自社シェアが高い取引先(重要先)は新人には無理だ。』

と、考えていたことから、新規開拓メインの市場に私を配置したそうです。

なお、MSの1日のスケジュールは一括りにはできません。

担当エリアは営業所から近いか?遠いか?

担当先が病院メインか?開業医メインか?

といった具合に、取引先の状況によって結構違います。

この記事では、あくまで私自身がMSだった頃に準じて書いています。

そのため、沢山いるMSの中の一例として、こんなMSもいるんだな~くらいの気持ちで読んでもらえればと思います。

ヒサシの1日のスケジュール(MS版)


それでは、私がMSだった頃の1日の流れについて紹介します。

毎日毎日、完全にこの通りというわけではありませんが、大体こんな感じです。

なお、今回のスケジュール例では配達、返品、急な問い合わせなどのイレギュラー要素は除いています。

8:30 出社

まず出社したらメールチェックをしていました。

他には前日の伝票処理とか、朝のミーティングで使う会議資料を作ったり、当日朝の時点での発注状況をPCで確認したりします。

他にも、営業所に来てくれたMRに挨拶したりもしますが、大体は内勤をしていることが多かったです。

時間的に余裕があれば、この時間帯に日刊薬業やRISFAXなどを読んだりもしていました。

9:00~9:15 メーカー朝礼

私がいた営業所では、殆ど毎日、メーカー朝礼がありました。

これは簡単に言うと、MRとMSによる規模が小さい会議のことです。

当たり前の話ですが、原則MSは全員出席しなければなりません。

取引先からの電話(問い合わせ)や、急な配達依頼などのイレギュラーがあった場合は欠席します。

このメーカー朝礼では、MRがMS向けに自社医薬品の説明をしたり、販売推進の依頼をしたりします。

新薬が発売になったときは特に重要です。

こういった場で、MSは医薬品の特徴について勉強しています。

9:15~9:45 営業所ミーティング

他の卸、他の営業所はどうか知りませんが、私が所属していた営業所ではメーカー朝礼後に、営業所のMS全員、及び、所長が集まってミーティングをしていました。

内容としては、売上額や利益額の進捗状況だとか、新薬の販売状況などを確認したりします。

その他にも債権管理だとか、返品額だとか、休日対応をどうするだとか、連絡事項が様々ありました。

当時のことを思い返すと、このミーティングでの伝達事項が多すぎたこと、そして生産性が無さ過ぎたこと等々、本当に意味のない会議だったと心底思います。

そもそも、毎日約30分もミーティングするなんて無駄すぎます。

ただし、これはあくまで私が所属していた営業所の話です。

多分、優秀な管理職がいる営業所だとミーティングは短時間で終わると思います。

9:45~11:00 内勤業務

メーカー朝礼やミーティング前にできなかったことを行います。

メールチェック以外のも、当日の朝時点で売れている商品(伝票に記載されている商品)の確認、請求書作成、債権管理、返品処理の状況、取引先に持っていく資料などを1つ1つチェックします。

他にも、営業所に来てくれたMRとの情報交換はこの時間帯に行っていました。

時間に余裕があるときはMRが持ってきた製品パンフレットに目を通すなど、勉強する時間に充てていました。

11:00 出発

準備を整え、車に乗り込んで営業所を出発します。

私は営業所から遠いエリアを担当していたので、時間に余裕を持って出発することを心掛けていました。

11:00~12:00 移動

車中では音楽でも聴きながら、当日の訪問スケジュールなどを考えていました。

例えば…

『今から行く開業医Aが混んでいたら、先に開業医Bに行こうかな?』

『開業医Bも混んでいたら、調剤薬局から行こうかな?』

『調剤薬局も混んでいたら、取引がない医療機関に飛び込み訪問しようかな?』

…といった感じです。

MSはルートセールスとは言われていますが、取引先の状況によっては医者などのキーマンと面会できないことはザラにあります。

よって、本命プラン以外にも、プランB、プランCを考えておく必要があります。

そもそも、運転中はPCを開くことが出来ないので、ハッキリ言って暇なんです。

そのため、有意義な1日を過ごすためにも、私は運転中に予備プランを考えることを意識していました。

12:00 開業医A訪問

開業医は大体12:00くらいに午前中の診察が終わり、医者がMSやMRとの面会に応じてくれるようになります。

しかし、12:00に訪問しても、12:00から面会できるとは限りません。

私の担当エリアでは受付で名刺を出した後、外来患者の診察がすべて終わり次第会ってくれる医者が多かったです。

よって、12:00に面会を申し出ても、実際に面会できるのは12:30だとか、13:00だとかになることは日常茶飯事です。

つまり、患者で混んでいたらMSやMRは医者が暇になるのを待たなければならないということです。

この待ち時間が生じたときは、医院の待合室で何かの本を読んで勉強したり、同じく面会に訪れたMRと情報交換したりします。

ちなみに、他社MSも来ていた場合、彼らとは目も合わせません。

余談ですが、各卸のMS同士は商売敵であることから仲が悪いことが多いです。

当たり前と言えば当たり前の話です。

さて、いよいよ医者と面会できたとしても、面会時間は短いです。

私は10分会話できれば良い方でした。

理由としては、医者も午前中の診察で疲れているからです。

医者も人間ですから疲れますし、診察終了後すぐに昼飯を食べたい人だっているのです。

開口一番、

『今日は疲れているから手短に頼む!』

と言われることも多かったです。

その短時間で、MSは色々なことを話します。

メーカー施策が入っている薬剤の情報提供、自社から納入している商品の流通状況、場合によってはただの世間話だけをする日もあります。

他には仲が良いMRの代わりに説明会のセッティングを行うこともありました。

用件を済ませたら医者に受付の人に挨拶し、次の取引先へと向かいます。

13:00 開業医B訪問

開業医によっては、

『面会したいのなら13:00以降に来てくれ!』

などと、時間指定をしてくる先もあります。

他にも、流行っている開業医だと外来患者がはけてくるのが13:00以降という先も結構ありました。

この辺りは数回訪問すると徐々にその開業医の雰囲気が分かってきます。

こういった先は13:00前後に狙いを定めて訪問していました。

とは言っても、先ほどの開業医Aと同じく待たされることも多かったです。

当たり前の話ですが、医者にとっての顧客は患者です。

よって、患者を差し置いてMSやMRとの面会を優先する医者は多くありません。

医者によっては外来の合間に会ってくれる場合もありますが、患者が待っている関係上、長話はあまりできません。

よって、医者が疲れている、または忙しいようなら、それを察して用件を手短に伝えるテクニックも必要です。

医者に話す内容としては開業医Aのときと大体同じです。

13:00~14:00 調剤薬局(複数)訪問

開業医AやBの面会状況次第ですが、大体この時間帯から調剤薬局を訪問します。

私自身は開業医AやBでの面会直後に門前の調剤薬局に行くことを意識していました。

開業医で患者がはける時間帯は、門前薬局でも患者がはけていることが多いからです。

門前薬局で何を話すかというと、殆どの場合、開業医での面会内容についてです。

『今日は開業医AのA先生が○○という薬をもっと使いたいと言っていましたよ!』

だとか、

『開業医BのB先生は△△という薬を後発品に替えるつもりみたいですよ!』

…といった具合に、開業医で面会して得た情報を門前薬局に伝えるのです。

情報というのはスピードが命です。

特に、後発品を含む他剤への切替え案件などは、モタモタしていたら他卸に話が流れてしまします。

よって、門前薬局の薬剤師、特に管理薬剤師への情報提供は密にしておかなければなりません。

門前薬局以外にも、この時間帯は1軒でも多く調剤薬局を訪問します。

営業は訪問してナンボとも言いますが、調剤薬局への営業はまさにこの言葉通りです。

月末は詰め込み販売(通称:詰め)をしなければならないので、嫌でも調剤薬局へ訪問しなければなりません。

個人的には、この時間帯が1日で一番忙しかったです。

14:00~15:00 昼食

調剤薬局を一通り訪問したら昼食にします。

14:00以降ともなると開業医も午後の診察を開始し、それに伴って各調剤薬局も混み始めるからです。

ちょうど腹が減ってくる頃なので、私はこの時間帯に昼食にしていました。

場合によっては仲が良いMRとランチミーティングをすることもあります。

簡単に言うと、ご飯を食べながらの作戦会議ですね。

『開業医Aをどうやって攻略しようか?』

『開業医Bでこの薬を採用させたいけど、どうしましょうか?』

…といった具合に意見交換します。

このときはMRが経費で奢ってくれるので、MSとしては大変ありがたかったです。

MR側としても飯代を経費で落とせるため、むしろMR側からランチに誘われることもありました。

私の場合、毎月2~3回くらいはランチミーティングに誘われていました。

ただし、昨今はメーカー側の経費も削られつつあります。

そのため、MSとMRのランチミーティングの頻度は減ってきています。

完全に余談ですが、私の先輩MS(50歳前後)がミーティングにかこつけてMRに声を掛け、毎回毎回、何が何でもMRに飯を奢らせていました。

MR目線で見れば、本当に厄介なMSだったと思います。

『超』が付くほど悪い見本なので、私は真似しないようにしていました。

15:00~17:00 病院&調剤薬局訪問

当時はMSという立場上、病院で訪問する部署は薬剤部、用度課、総務課の何れかのみでした。

まず、薬剤部では自社が契約して卸している薬の納品状況や使用状況をチェックしたりします。

次に、用度課では医療材料について納品状況や使用状況を確認したりします。

そして、総務課には請求書を提出したりなどの事務仕事のために訪問していました。

この中で最も訪問頻度が高かったのは薬剤部です。

とにかく、納品量も多ければ返品量も多い。

医薬品卸のMSが返品を嫌うのはなぜ?それは再販するのが大変だからです!

薬剤の減り具合を確認しつつ、今後はどの薬をどのくらい在庫しておくべきかなどについて発注担当の薬剤師と打ち合わせをするなど、とにかくやることが多かったです。

薬審後は新しく採用が決まった薬剤について、今後の発注頻度や社内で在庫しておくべき量などについて伺いを立てます。

なお、私が担当している病院では15:00前後に薬の払い出しが終わることが多く、そのタイミングを狙って薬剤師の先生方と面会していました。

他にも、病院の門前薬局を訪問するのもこの時間帯でした。

こういった病院訪問に関しては、その病院によって訪問OKな時間帯が異なるので注意が必要です。

当たり前の話ですが、相手が忙しい時間帯に行っても仕事の話はロクにできません。

むしろ、

『こんな忙しい時間帯に来るな!』

と怒られかねません。

さて、私の場合は病院訪問と並行して、病院の門前薬局訪問もこ15:00~17:00の時間帯に行っていました。

薬局内に患者がゼロということは少ないですが、午前中に比べると格段に暇らしく、薬局側から15:00~17:00の訪問を希望されていたためです。

話す内容としては、病院の薬剤部のときと殆ど同じです。

17:00~18:00 開業医C訪問

私にとっては夕方の時間帯での開業医訪問が1日のラストスパート的な感じでした。

これまた医院の込み具合に左右されますが、面会方法、面会内容ともに開業医AやBのときと殆ど同じです。

この時間帯ともなると医者も結構疲れてきているので、やはり面会を短時間で済ませることも多かったです。

一方で、今日はもう患者がいなくなって暇になったから…という理由で、まとまった時間をもらって仕事の話をさせてもらうこともありました。

18:00~19:00 移動

道中、1日の振り返りをしながら営業所に向かいます。

暗くなってくる時間帯なので交通事故には気を付けていました。

なお、私の場合は営業所から遠いエリアを担当している関係上、帰社せずに直帰することも認められていました。

プライベートで予定が入っている日はその旨を上司に一報して直帰していました。

この場合、翌日は営業車に乗って会社へと出社します。

なお、直帰云々について許可してくれるかどうかは上司次第だと思います。

当時の上司は直帰について理解がある人だったので、個人的には助かっていました。

19:00~20:00 内勤業務

個人的には1日で最も怠くなる時間帯でした。

持ち帰った伝票や返品の処理をしたり、日報メールを打ったりなど、やることはいくらでもあります。

MSだろうとMRだろうと、営業の仕事はやろうと思えば無限に仕事があるのです。

営業所のデスクでPCを開きカチカチと操作していると、あっという間に20:00くらいになります。

同僚たちもボチボチ帰り始める時間帯ですので、私もこれくらいの時間帯に営業所を出るようにしていました。

もし、どうしても仕事が終わらない場合はPCを自宅に持ち帰って作業するようにしていました。

私がいた営業所では残業を強制するような雰囲気はありませんでしたが、同僚MS(特に先輩)は自ら進んでサービス残業をしていました。

サービス残業なんて無能な証拠では?と思うかも知れませんが、それは誤解です。

本当に仕事量が多すぎるのです。

特に、売れているMSほど伝票枚数も多いですし、返品や債券に関する仕事も多くなります。

加えて、日中に外回りを頑張る日ほど、内勤の仕事は朝または夜にやるしかありません。

繰り返しになりますが、営業の仕事はやろうと思えば無限に仕事が湧いてきます。

伝票1つとっても、一切妥協なしで全てに目を通してチェックする仕事の鬼みたいな先輩MSもしました。

つまり、仕事のクオリティを追求すると際限がないのです。

営業職ならではの難しいジレンマです。

20:00 退社

私は車通勤でしたので、とにかく交通事故にだけは気を付けていました。

営業所と自宅が車で約30分の距離だったので、疲れている時間帯に30分の運転は地味にキツかったです。

20:30 帰宅

帰宅後も仕事をすることは多々ありました。

PCを開いて債権管理をしたり、翌日の注文状況をチェックしたり、やることは様々です。

仕事がひと段落した後、気力や体力に余裕があるときは薬剤や営業スキルに関する勉強を行っていました。

まとめ


ここまで、私のMS時代の1日について書かせてもらいました。

MSの仕事について大体イメージできたでしょうか?

なお、今回書いた1日のスケジュールは、イレギュラーがないからこそ成立するスケジュールです。

実際には医療機関からの配達依頼や急な問い合わせに振り回されることが多々あります。

イレギュラーがあるとどんな具合に振り回されるか?ということについては、別の機会に記事にしてみようと思います。

最後までまで読んで頂き、ありがとうございました!





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