化学療法室の看護師からクレームをもらった話

こんにちは、アラサーMRのヒサシです。

本日はクレームに関するお話です。

『広域担当MRあるある』の1つであり、私にも落ち度のあることなので反省も兼ねて記事化してみました。

MRにとっての『薬』とは、医師を納得させ、採用させ、使ってもらえば良いわけではない。

『薬』とは、単純に『売れればいい』という類のものではない。

そう思った事例です。




希少がんに使う薬剤が採用になった!しかし…


これは、私が担当しているエリアの端にある病院での出来事です。

簡単にクレームに病院や薬剤のことについて書かせて頂きます。

・病床数:400床ほど

・診療科:腫瘍内科

・対象患者:1例

ご覧のように400床ほどの病院なのですが、田舎の病院としてはかなり大きめな病院です。

今から1年半ほど前、自社医薬品の対象となる患者が1例いることを知り、コツコツと活動してきた先です。

「おいおい、たった1例に使ってもらうために1年半もかかったのかよ?」

…と、言いたい方もいるでしょう。

実はその患者さんは前治療薬の副作用でかなりキツかったそうで、

その対応のため、主治医の先生は副作用改善のための治療を優先するしかなかったのです。

そして、今年の1月末頃からウチの抗がん剤投与が始まりました。

その前後のタイミングで主治医の先生、化学療法室の薬剤師、各方面で面談を重ねました。インタビューフォームや添付文書の根拠を説明し、

他剤との併用については文献ベースで情報提供し、

症例ベースの話し込みで患者にとって無理のない投与方法を提案し、

そして、他病院の投与状況を参考にしてレジメンを複数登録してもらいました。

「俺は出来る限りの仕事をした。これで患者のリスクを最小化できただろう。」

「医師も薬剤師も俺の仕事ぶりを褒めてくれた。俺は良い仕事をしたんだ!」

こんな風に本気で思っていました。

しかし、私が知らないところで暗雲が立ち込めていたのです。

化学療法室の看護師さんから情報提供を希望された⇒クレーム発生!!


ある日、化学療法室の看護師さんから、私の会社に「担当のMRから連絡がほしい」と電話が入りました。

(※今後はこの看護師さんをOさんと書かせて頂きます。)

で、電話を折り返したら「おたくの抗がん剤のことで情報提供に来てほしい」とのこと。

後述しますが中々その看護師さんに面会しいく時間が取れず、

初めの電話から数日経ったあたりでようやく訪問しました。

そして、挨拶しながら名刺を渡したところで、第一声がまさかのクレーム。

「実際に薬を投与するのは私たち(看護師)だ。なのに、なぜ私たち(看護師)に情報提供に来なかったの?」

これは中々、手厳しい指摘です。

しかも、捲し立てるように喋る喋る。

社会人として、その物言いはどうなの?

…とも思いました。

要約すると、Oさん曰く、

「抗がん剤を扱っているMRなら看護師にも情報提供をするのが当たり前でしょ?」

「電話してからようやく来るなんて、それでもMRなの?」

…とのことです。

確かに仰る通りです。

腹は立ちましたが、Oさんが言っていることは正論なのです。

私は頭を下げ、謝罪する他ありませんでした。

看護師を蔑ろにしてはいけない!


これはもう、私の反省すべき点です。

私は主治医の先生、及び、化学療法室の薬剤師さんにしか薬剤の説明をしていませんでした。

しかし、それだけでは不十分だったということです。

MRは薬剤を正しく使ってもらうために存在しています。

そのことを今回のクレームを受けて思い出しました。

そもそも『薬を正しく使ってもらう』とはどういうことか?

MRによって考え方は色々とありますが、

私個人としては、『薬の有効性を最大限引き出し、副作用を最小限に抑える』ような使い方が『正しい使い方』だと考えています。

患者に抗がん剤を投与する際、医師だけが関わるわけではない。

抗がん剤を調整するのは薬剤師であり、

調整された抗がん剤を点滴投与するのは看護師である。

そして抗がん剤を投与する際、暴露だとか、血管痛だとか、血管漏出だとか、色々なリスクを看護師はケアしなければならない。

今回のクレームは、看護師は看護師で患者のためにリスクを最小化しようとしているが故のクレームだったのだと思います。

当然のことですが、看護師も患者に接する医療従事者の一員です。

MRが彼らを蔑ろにしていいはずがないのです。

看護師を訪問する余裕がなかった


少々言い訳がましくなりますが、先述のOさんを含む化学療法室の面々を訪問しなかった、

いや、訪問できなかったのは理由があります。

主な理由は以下の3点です。

①最近まで自分が主幹の講演会で忙しかった。

②担当エリアの端にある病院なので足が遠のいていた。

③医師と薬剤師に褒められて有頂天になっていた。

まあ、こんなところです。

①の講演会については、MRの方なら皆さんわかると思いますが、座長や演者への対応や準備だったりで大変です。

特に、自分が主幹となる講演会は今回が初めてであり、キャリアが浅いMRである私にとっては中々の試練でした。

そして厄介なのが、②にあるように本件の病院が遠方であったことです。

自分は広域担当MRであり、移動距離、移動時間が半端じゃない。

しかも、先述した講演会を開催する地域からも離れている関係上、

新規採用のタイミングでは、主治医や薬剤師の先生にアポイントをもらって訪問するだけで精一杯でした。

そしてメンタル面での反省点が③です。

正直言って、これは自分の傲りだったと思います。

新規採用、新規投与が決まって気が緩んでしまいました。

講演会のことで頭が一杯だったということもありますが、一方で自惚れて目が曇っていたことも事実です。

一流のMR、特に一流のオンコロジーMRは看護師に対してもしっかりと情報提供をしているでしょう。

まさに、反省すべき点です。

クレームが正論なら、それを教訓とすれば良い!


やっぱり、クレーム対応は嫌な仕事です。

少なくとも、気分が良くなる類の仕事ではありません。

私はMR4年そこそこの人間ですが、それでもクレーム対応は結構してきました。

MS時代を含めれば、顧客に対して何度頭を下げて謝ったか分かりません。

クレームのいうのは大半が理不尽なものであり、謝るに値しないと思うことも多々あります。

しかし、今回のように自分の傲りが招いたクレームならば、まず自分を省みる必要があります。

看護師を蔑ろにしてはいけない。

それが、今回のクレームから得た教訓です。

この教訓を糧にして、MRとしてもっと精進したいものです。

このような駄文を読んで頂き、ありがとうございました!





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