GSKのMRはメディセオ&地場卸との取引中止についてどう思っているのか?

MRとMSの関係

こんにちは、アラサーMRのヒサシです。

医薬品業界を激震させた、GSKによるメディセオ&地場卸との取引中止。

このニュースが報じられてから、約2週間が経ちました。

 

GSKがメディセオ&地方卸との取引を打ち切る理由について考えてみる

 

業界内でちょっとした話題となっている製薬メーカーによる卸切りですが、今の状況について、当事者でありGSKで働いているMRの皆さんはどのように思っているのでしょうか?

私はリアルの知り合いにGSKのMRがいないので、彼らの気持ちを推測することしかできない立場です。

しかしながら、現役のMRとして、そして以前は医薬品卸で働いていた身としてはとても気になります。

むしろ、GSKのMRさんから直接意見を伺ってみたいくらいです。

おそらくですが、GSKの現場側(MR)としては、今回の卸切りについて肯定的な人、否定的な人、特に何も感じていない人など様々かと思います。

そこで、もし自分がGSKのMRだったら?という仮定のもと、GSKのMRの心情や、医薬品卸(特にMS)からの反応、今現在起きていることなどについて予想を書いていきます。

なお、これ以降の文章はあくまで私の独断と偏見に基づいた意見ですので、その点についてご承知おきください。

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メディセオ&地場卸の高シェア先を担当していると辛いかも?

エリアによってはメディセオや地場卸が強くて、GSKを問わず殆どの全社の医薬品を1社だけで納入している施設があると思います。

例えばですが、呼吸器内科の門前薬局でGSKのアノーロやアドエアなどを全て納入している卸がいたとします。

その卸がメディセオ&地場卸だったりすると、正直言って波乱は避けられない気がします。

加えて、担当MSが処方元の医師に強い(仲が良い)と言った場合には、より事態が混乱しそうです。

GSKとしては、メディセオ&地場卸との取引中止は決定事項です。

従いまして、形はどうあれ、MRはMS・取引先に対してそのことを説明しなければなりません。

そんなとき、取引中止卸がGSK品目の高シェアを握っているような場合だと、担当MSと衝突する場面も出てくるかと思います。

そこを懇切丁寧に対応するか、あるいは会社の方針と割り切り、敢えて冷淡な対応をするか、その辺りはMRの性格次第かとは思います。

ただ1つだけハッキリしていることは、GSKのMRにとって、今回の卸切りについてMS&取引先に説明すること自体が面倒な仕事だということです。

少なくとも私がGSKのMRだったら、メディセオ&地場卸との取引中止について関係各所に説明するような仕事は、面倒くさいのでやりたくないです。

卸切りについていくら説明責任を果たそうが、それで売上が伸びるわけでもありません。

それどころか、後述するクレーム対応に追われている可能性すらあります。

極端な話、GSKのMRにとっては生産に乏しい仕事であることは間違いありません。

むしろ、そんな説明責任を果たしている間に、メディセオ&地場卸のMSが今のうちにGSK品目を他メーカーの競合品に切り替えるための工作を仕掛けてきそうです。

取引中止となる側の卸にとって、いくらGSKの会社方針とはいえ、自分たち(卸側)がGSK品目の帳合を失うことについて看過できるはずがありませんからね。

それであれば、取引中止となる2021年春を迎える前に、GSK品目の売上をカバーできるだけの手を打つのが定石です。

ヒサシ
ヒサシ

メディセオ&地場卸が高シェアを握っている施設の場合は尚更です!

ハッキリ言って、この状況でGSK品目を失う(=売上が減る)にも関わらず何もしないMSがいるとしたら、そのMSはただの馬鹿です。

もはやGSKへの遠慮なんて必要ないと言わんばかりの勢いで、競合品への切替を狙って来るでしょう。

しかし、GSKのMRにとっては追い詰められたMSの切替工作なんてものは歓迎できるはずありません。

よって、GSKのMRは場合によってはメディセオ&地場卸MSの動向にも目を光らせていかなければなりません。

もしメディセオ&地場卸がGSK品目の高シェア先を担当しているとしたら、警戒しておいた方が良いかも知れないですね。

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クレームを入れてくるMSは絶対にいる

先ほど書いた高シェア先のことにも関連しますが、そもそもGSKの方針自体にクレームを入れてくるMSって必ずいると思うんですよね。

いくらGSK本部の決定とはいえ、メディセオ&地場卸にとって今回の卸切りは悪い意味で衝撃的だったはずです。

切られる側の卸においては、今回の一件について釈然としない感情を抱えているMSが多数いることでしょう。

こういった状況であれば、賢いMSであればさっさとGSK品目に見切りを付け、いずれ減るであろう売上減少に備えて競合品への切替工作に励むことと思います。

さらに言うと、より賢いMSほど現場のMRにクレームを入れても無駄だということ理解しているはずです。

現場のMRに文句を言ったところで、今の状況が覆るはずがありませんからね。

しかし、賢くないMS…

言い換えれば、感情ばかりが先行してクレームを言わずにはいられないMSも存在すると思います。

この場合のクレームとは、仕事上の優位性を保つための戦略的なクレームではなく、ただ単純に不満の感情の吐き出すためだけのクレームです。

実際のところ、感情の赴くままにMRへのクレームを叩き付けてくるMSは一定数いますので。

 

医薬品の出荷調整を通じて不仲になったMRとMSは間違いなく多い件

MRは包装変更の案内を全てのMSに対して“直接”行うべき!…なのか?

 

確かにこういった状況であれば、GSKに対して恨み言の1つや2つくらい言いたいMSはいるでしょう。

しかしながら、もしそんな恨み言を感情の赴くまま吐き出すとすれば、それはだだの幼稚な行為です。

少なくとも、大人として褒められた行為でありません。

そのことを理解している賢いMSもいれば、理解していないMSもいます。

…というワケで、日本全国で何人いるかは不明ですが、理論性も何もなく罵詈雑言だけをぶつけてくるクレーマーMSは必ず存在するはずです。


おい、何でお宅の会社はウチと取引を打ち切るんだ!?
今までお宅の品目を納入していたのはウチなんだぞ!?
なのに、お宅の品目はこれから他卸が納入するってのか!?
そんなことが許されると思っているのか!?
ふざけんな!!!

悲しい話ですが、MRとして経験年数が長い人ほどご存知の通り、口が悪いMSは一定数存在します。

ついでに言うと、40代~50代くらいのオッサンMSほど、このように口が悪い傾向があります。

これまた私自身の経験談で恐縮ですが…

私がMSだった頃、同じ営業所のオッサンMS(先輩)が各メーカーのMRに対して恫喝している場面に何度も出くわしたことがあります。

ヒサシ
ヒサシ

当然のことながら、そのオッサンMSは各社のMRからメチャクチャ嫌われていました!

こういった感情のままにクレームを入れてくるMSによって、対応に辟易しているGSKのMRは少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?

嫌いなMSと縁が切れて清々しているMRは確実に存在する

先ほどのクレーマー体質的なMSを含めて、卸の人間と付き合うこと自体に懐疑的なGSKのMRもいるかと思います。

あのMSはムカつく。

あのMSの顔を見たくない。

あのMSと一緒に仕事したくない。

例え方は様々でしょうけど、MRとして関わりたくないMSっていますよね。

私にも嫌いなMSは大勢いますので、その気持ちは超分かります。

 

医薬品卸のMSがうざい!MSと関わりたくないMRはどうすれば良いのか?

説明会などの場面でMRに弁当をねだる『身勝手なMS』について思うこと

 

では、今回の卸切りの対象であるメディセオ&地場卸の中に『嫌いなMS』が含まれていたらどうでしょうか?

その場合、2021年の春以降はその『嫌いなMS』と関わらなくて良いということを意味しています。

今回の卸切りによって嫌いなMSと縁が切れるのであれば、GSKのMRにとってこれ以上の朗報はないでしょう。

MRとMSって仕事の関係上、嫌でも関わらきゃいけない場面があります。

相手のMSが人間的にも能力的にも優れている人間であれば何ら問題ありません。

実際、そういったMSは少数ながら存在していますからね。

 

これが医薬品卸のスーパーMSなのか?大学病院の担当MSが優秀すぎる!

 

しかし、能力的にはともかく、人間的にかみ合わないMSと手を組む場合はどうか?

自分にとって嫌いなMS・苦手なMS・ムカつくMSと関わらざるを得ないとき、それはMRにとって多大なるストレスとなります。

もし今回の卸切りによってMS関連のストレスから解放されるGSKのMRがいるとしたら、それはやはり喜ばしいことなのだと思います。

最後に:今回の卸切りはGSKのMRにとってはプラス要素が多い?

ここまで私の個人的な意見&予想ばかりを書いてきましたが、今回の卸切りについて、GSKのMRにとってはマイナス要素よりもプラス要素の方が多いのではないでしょうか?

もちろん、もしメディセオ&地場卸のMSに仲が良い人がいるなどの事情があれば、MRとしては釈然としないでしょう。

または、望まないクレーム対応に追われている場合も同様です。

おそらく、今回の一件でGSKのMRの皆さんにとっては面倒ごとが一気に増えたことでしょう。

…とはいえ、そういった面倒ごとは一時的なものでしょう。

そう考えると、今回の卸切りは決して悪い話ではないかと思います。

GSKに限ったことではありませんが、外資系メーカーのMRってあまり卸訪問をしない人が多い気がします。

もちろん、エリア事情・会社の社風・MR個人の考え方によってバラつきはあるでしょう。

ですが、私自身が医薬品卸でMSとして働いていた頃の経験上、卸への訪問頻度は内資系>外資系なイメージがあります。

それはつまり、外資系メーカーのMRほど、卸(MS)との付き合いに価値を見出していないことの証明ではないでしょうか?

糖尿病領域で強いノボノルディスクファーマも、過去に“卸切り”を行っていますし。

 

ノボノルディスクの取引卸削減について「プラス影響」と評したベック社長の真意を考察する!

 

良し悪しはともかくとして、外資系メーカーのMRにはドライな人が多い気がします。

少なくとも、私はMSだった頃から外資系メーカーMRに対してそのような印象を持っています。

GSKのMRさん全員がドライだとは言いませんが、ドライだからこそ今回の卸切りについて好意的に受け止めている人も一定数いるはずです。

私もMRに転職して初めて実感しましたが、各卸を巡ってMSと関係作りをするのって、結構大変です。

ヒサシ
ヒサシ

卸訪問よりも、他にやるべき仕事は腐るほどありますからね!(汗)

ハッキリ言って、MRとしては信頼できる卸&MSだけを掴まえておけば十分です。

そう考えると、MRとしてわざわざ訪問する卸、いちいち連絡を取り合うMSは少ない方が良いです。

ましてや、今はコロナ禍のご時世ですし、卸での朝礼で製品説明するのもなるべく避けた方が良いような雰囲気が漂っていますしね。

…というワケで、GSKのMRとしてはMSから何か言われてもドライで結構!』『会社が決めたことなのだから仕方ない!という姿勢を貫けば良いのではないかと思いました。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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