MRは内勤資料の作成業務にどのくらいの温度感で取り組むべきか?

MRの内勤

こんにちは、アラサーMRのヒサシです。

MRであれば、誰もが内勤での資料作成を行いますよね。

支店会議での発表資料。

上司への報告書。

会社への提出物。

講演会の案内状。

これらは全て、MRが多かれ少なかれ時間&労力を割くことで作られたモノです。

その一方で、こういった資料類にはMRごとの個性が如実に現れます。

毎回のように高クオリティのモノを作り上げるMRもいれば、低クオリティのモノを乱造するMRまで、本当に様々なパターンがあります。

ヒサシ
ヒサシ

とんでもなく手の込んだ資料を作るMRもいて、たまに驚嘆することもあります…(汗)

たかが社内での資料といえど、クオリティは低いよりも高い方が良いに決まっています。

少なくとも、その資料を閲覧する側にとってはそうでしょう。

では、資料のクオリティを左右するポイントとは、一体何でしょうか?

まず真っ先に思い浮かぶのは、何と言ってもPCスキルです。

…が、そのPCスキル以外に必要なものがあるとすれば、それは何か?

私見ですが、それは『その資料を作るために、どれだけの時間と労力を費やしたか?』という点に尽きると考えています。

極端なことを言えば、どんなMRであっても十分な時間と労力を費やせば一定水準以上の資料を作れるかと思います。

しかしMRたる者、社内での資料作成などに血道を上げていられるほど暇ではありません。

外勤にせよ、自己学習にせよ、MRとしてやるべき仕事は他に腐るほどありますからね。

しかも、それらの業務を限られた時間の中で終える必要があります。

MRとして一日の中で使える時間は決まっていますし、医療従事者(特に医師)と面会できる時間も限られています。

ヒサシ
ヒサシ

どう考えても、MRとしての業務優先度は『外勤内勤』ですからね!!

だったら、内勤云々の資料はどの程度の温度感でこなすべきなのか?

一時の例外なく、全力投球で頑張るべきか?

あるいは、外勤に支障が出ない範囲内で、ほどほどに行うべきか?

はたまた、上司からの叱責上等で“手抜き”をするのが最善なのか?

正味な話、これらについて明確な正解は無いと思っています。

ですが、そんな“正解”は無い中にあっても“妥当”を模索する努力は必要ですので、その辺りの事柄について今から考えていきます。

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大前提:MRの評価は“数字”で決まる

このブログで幾度となく述べてきた事ですが、改めて言わせてもらいます。

MRとは製薬会社の営業マンです。

そして営業マンたる者、数字という名の実績によって評価が決まります。

営業を生業としている以上、どれだけ足掻こうとこの摂理からは逃げられません。

では、MRの評価を左右する“数字”とは、具体的には何を指すでしょうか?

多くの場合、それは売上目標の達成率とか、新薬の採用率などが該当すると思います。

このような数値化&可視化できる指標によって、MRとしての評価が決まるワケです。

もちろん、上記のような“数字”とは別に、行動面での良し悪しが査定に影響することもあります。

例えば、講演会を沢山企画したとか、何かのプロモーター業務を頑張ったとか、PMSの仕事を率先して行ったとか。

これらの行動がプラスに働く可能性については、決して否定はしません。

しかしながら、です。

何だかんだ言って、MRの評価を最終的に決めるのは数字です。

だって『数字が悪いにも関わらず社内ではお咎めなし』なんてパターンは、基本的にあり得ませんからね。

いくら行動面を頑張っていても、結果が伴っていなければ上司から叱責されるのがオチというものです。

ヒサシ
ヒサシ

上司に媚びてまくっているMRであれば、その限りではないかもしれませんが…

結果が全てのシビアな世界。

売れているMRは称賛され、売れていないMRは批難される。

それが製薬会社の常であり、営利企業としてはごく自然な姿だと私は思っています。

まあ、このような売上偏重の姿勢にも負の側面はあります。

業界の歴史を振り返ってみると、売上を求めるあまり不正行為が横行していた時代もありますからね。

さすがに令和の現在では、各社がコンプライアンス遵守に力を入れるようになりましたので、昔ほど極端な売上偏重の雰囲気が漂っているワケでありませんが…

それでもなお『売れれば官軍、売れねば賊軍』とでも言いますか、今でも変わらずMRとは数字という形での実績を求められる職業であることに変わりはありません。

これもまた、MRを取り巻いている確かな現実なんですよね。

そんな状況ですから、MRにとっては対顧客(特に医師)への活動に最注力する必要があります。

後述する内勤資料の作成を頑張っている暇があったら、どう考えても外勤に時間と労力を割くのが良いに決まっています。

でも、MRにとっては資料作成の仕事をゼロにはできないのも事実です。

それだったら、MRは一体どうすれば良いのでしょうか?

その点について、今から考えていきたいと思います。

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MRが“凝った資料”を作っても評価されない!

そもそもな話として、MRが力を入れて作った内勤資料って、それ自体が評価対象になるものでしょうか?

私自身の経験上、その可能性は限りなくゼロに近いと思っています。

この辺りは上司のタイプによって異なる部分かと思いますが…

MRが作った内勤資料の出来を常日頃からチェックし、期末の評価に反映させている管理職が、果たしてどの程度いるでしょうか?

多分ですけど、日本全国を探してもはまずいないでしょう。

…にも関わらず、なぜかMRの中にはやたらとった資料を作り上げる人がいます。

誤解の無いようにお伝えしておきますが、私個人としてはMRの資料作成スキル(=PCスキル)が高いに越したことはないと思っています。

Excelにせよ、Wordにせよ、PowerPointにせよ、それらのソフト類を十全に使いこなす力量があるとしたら、それは間違いなくMRとしての長所の1つと言って良いでしょう。

ただ、ここで私が問いかけたいのは“そこまでして資料作成を頑張る意義はあるのか?”という点です。

何かの機会に他のMRが作った資料を見ていると、そのような疑問が湧き起こってくるのです。

例えばですが、支店内でMRが一同に会して、各人が担当エリアの状況発表をする場面とかがあるじゃないですか。

売上の推移や、新薬の採用進捗について、パワーポイントを使って発表したりするアレです。

MRによっては、文字のフォントから表の配色、さらにはグラフや図をアニメーションで動かすような力作を披露してくれたりします。

傍目から見ていても、相当な時間と労力を費やして作られた資料であることは明白です。

もちろん、発表資料において見やすさ&解りやすさを追求し、視覚に訴えるポイントを整理するのは何ら悪いことではありません。

ヒサシ
ヒサシ

おぉ……

こりゃ相当な手間暇をかけて作られている資料だな…

…みたいな感じで、畏敬の念を抱くことすらあります。

しかしながら、先述した通り資料自体の完成度が高くても、それ自体が評価対象になることはまず間違いなくあり得ないことも事実です。

むしろ上司の立場からすれば、発表資料の完成度ではなく、売上や新薬採用に関する情報の方がはるかに重要なはずです。

その証拠に、上司は十中八九、MRの実績面に関する指摘や質問を真っ先に行うはずです。

それこそ、資料のクオリティなんて気に留めないと言わんばかりの勢いで。

繰り返しになりますけど、MRの評価なんて結局は“数字”なんですよね。

極端なことを言えば、MRという職業は“売れてナンボ”ですからね。

そんなワケで、MRが作った発表資料のクオリティ自体には、特に注目されないのが支店会議の常です。

少なくとも、どれだけハイクオリティな資料であっても、MRの実績不振をカバーするだけの効果は無いと私は思っています。


売上はイマイチだけど、あなたが作った発表資料はとても見栄えが良い!
新薬の採用進捗も良くないが、この資料の完成度は素晴らしい!
MRとしての数字はガタガタでも、この資料ひとつで高評価に値する!

…などと絶賛するような上司が存在するでしょうか?

どう考えても、そんなことはあり得ないですよね。

私自身の経験では、数字に目もくれずに発表資料をベタ褒めしている上司なんて見たことがありません。

ヒサシ
ヒサシ

…と言うか、もしそんな上司がいたらある意味では問題である(汗)

MRとして、資料作成を全力で頑張る。

どんなに些細な資料であっても、妥協することなく作成に取り組む。

そういった気概は素晴らしいと思いますし、否定するつもりは毛頭ありません。

ですが、こういった行為にはある種の徒労感があると思っています。

支店会議での発表資料に限らず、社内にて資料類を作成する際にはクオリティを追求する。

それはMRごとの自由ですが、その先に待っているものは一体何でしょうか?

その答えとは特に何も無いなのかなと。

綺麗に装飾された表、見やすく洗練されたグラフ、ヌルヌルと動く高精度なアニメーション。

これらの要素をいくら盛り込んだところで、資料そのものが評価されるワケではない。

当然ながら、MRとしての査定に好影響を与えるワケでもない。

結論として、MRが資料作成にどれだけ心血を注ごうとも、ハッキリ言ってそれは“自己満足”の域を出ないと言えるでしょう。

クオリティが低過ぎる資料も考えものである

内勤業務において、MRが資料作成を頑張ったところで無為に帰す。

それは先述した通りなのですが、それであればクオリティの低い資料を作っても良いのでしょうか?

ぶっちゃけた話、そうとも限りませんよね。

むしろ、それはそれで問題だと言えます。

例えばですが、先ほどの担当エリアにおける発表資料について考えてみましょう。

支店会議の場において、ただパワーポイントに簡素な表やグラフだけを貼り付けて提示したら、一体どうなるでしょうか?

上司によっては、その資料に対して悪印象を抱くかもしれません。

その資料の内容から“手抜き”の痕跡が感じられるほど、その可能性は高くなるでしょう。


この表は、どういった意図で作られた?
このグラフは、何のデータを示している?
これでは、あまりも杜撰ずさんな出来ではないか?
会議の場でこの程度の資料を出すなんて、このMRはやる気が無いのか?

こんな具合に、上司からすれば“資料のクオリティ”と“MRの怠慢度合い”を結び付けて考えること待ったなしです。

この類の資料とは、MRが費やした時間と労力に比例してクオリティがアップしますからね。

製薬会社で管理職をやっているような人間ならば、MRが“手抜き”で作った資料など一発で見抜けることでしょう。

実際、私が新人MRだった頃の支店会議にて、先輩MRが簡素な発表資料を提示したところ、『いくら何でも、この資料の出来は酷いぞ』と上司から叱責されたんですよね。

確かに、当時新人だった私の目から見てもいい加減な資料でした。

見出しも何も無い表やグラフが、ただ乱雑に並んでいるだけでしたからね。

ヒサシ
ヒサシ

おいおい…

こりゃ手抜きし過ぎだろ…

…などと新人ながらに思うほどだったので、上司からすれば尚更だったのでしょうね。

そんなワケで、あまりにもクオリティが低い資料を作ってしまうのも考えものです。

要するに、資料のクオリティが高くて誉められることは無いけど、クオリティが低くて叱られることはあり得るという話です。

我々MRにとっては何とも世知辛い事実ですが、こんな些細なことでマイナスの評価を食らっては堪りません。

たかが内勤の資料、されど内勤の資料。

果たして、どの程度のリソースを割いて作業するべきなのか。

この辺りのやり方について、意外と塩梅が難しいものですが…

ただ1つだけ言えることは、あまりにも低クオリティな資料を作ってしまうと“予想外の痛手”を被る可能性がある…ということです。

最後に:資料作成は最低限の労力で済ませるのが最善策…か?

私もそれなりにMR歴が長い人間ですので、今までに色々な資料を作ってきました。

この記事で取り上げた支店会議での発表資料から、会社へのちょっとした提出物まで、本当に多種多様です。

それらの経験を振り返ってみて思うのは、やはりどれだけ資料作成を頑張ってもMRとしての評価には繋がらないということです。

歴代の上司たちの反応を思い返してみても、資料のクオリティが高いからといってMRをベタ褒めするような人物は誰一人としていませんでしたからね。

その反面、資料のクオリティ低くて叱責されるパターンはそれなりに見聞きしてきました。

だったら、現役のMRとしてどうすれば良いのか?

私個人としての結論は、ずばり『最低限の労力で済ませる』です!!

とにかく、資料作成の際には“ほどほどに”を意識しています。

50%くらいの力で、70%くらいの出来に仕上がれば十分である。

いや、むしろ上々である。

満点を目指すのではなく、とにかく及第点を目指す。

もしそれで上司から叱られてしまったら、それはそれで仕方ない。

そんな意識のもとで、日頃から資料作成の仕事を行っています。

このやり方が正しいかどうかは自分にも分かりませんが、取りあえず、私の性には合っています。

ちなみに幸運なことに、私はMRに転職して以降、上司から資料のクオリティ云々で難癖を付けられた経験はありません。

ヒサシ
ヒサシ

“お前、全然売れてねーぞ!!”

…みたいな感じで責められたことは何度もありますけどね(汗)

MRが為すべき仕事とは、売上を伸ばし、会社に利益をもたらすことです。

そのために、外勤して、医療従事者と会い、処方提案を行う。

新薬を採用させ、もし有害事象を確認したら情報収集に努める。

それらの業務と比べたら、内勤での資料作成なんて些末なものです。

どこまで行っても、所詮は“内向きの仕事”でしかありませんからね。

PCの前に座って資料作成のために1時間も2時間も費やしている暇があったら、外勤するなり、自己学習に励むなり、何か別のことをしている方が遥かに建設的です。

MRの立場上、社内において資料作成の業務を疎かにすることは出来ません。

ですが、それ以上に優先するべき仕事が社外には溢れていることを忘れないようにしたいものです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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