2021年度のメディセオグループ新卒採用人数が増加!その理由について考察してみる!

医薬品卸の今後

こんにちは、アラサーMRのヒサシです。

 

先日、日刊薬業を読んでいたらメディパルHDの新入社員に関する記事が目に留まりました。

 

メディパルHD、子会社6社に新入社員119人が入社

 

特に、メディパルHDの子会社の中でも医療用医薬品等卸売事業に関する採用人数が興味深い。

 

メディセオには91人が入社。(昨年度は61人)

エバルスには10人が入社。(昨年度は14人)

アトルには12人が入社。(昨年度は18人)

つまり、昨年度と比べるとメディセオは約1.5倍の採用人数であり、エバルス・アトルは微減です。

そして、これら3社の採用合計人数を見ると、昨年度比で約1.2倍です。

 

昨年度…つまり、コロナ禍に陥る前と比較しても多いということです。

 

付け加えると、メディセオグループ(メディセオ・エバルス・アトルの3社)は2021年2月に560人ものリストラを行っています。

 

メディセオグループのリストラ人数が560人!医薬品卸によるリストラブームの前兆か?

 

コロナ禍の最中であり、しかも大規模なリストラを行った直後における、割と多めな新卒採用。

 

果たして、メディセオグループは何を考えているのでしょうか?

 

もし新卒採用の人数が大幅に減ったとかなら理解しやすいんですよ。

 

リストラして、新卒採用も減らして、コスト削減に取り組んでいますよって感じでね。

 

しかし、2021年度の新卒採用について見る限りだと、そんな単純な話でもないようです。

 

製薬会社でもありがちなリストラした反動で現場の人手が足りなくなったといった類の影響なのでしょうか。

 

それとも、若い人材を使って何か新しいことでも始めるつもりなのでしょうか。

 

そこで、本日はメディセオグループに関するリストラ&新卒採用について考察いきます。

スポンサーリンク

会社(組織)には人材の新陳代謝が必要である!

メディセオグループというか、医薬品卸全般に言えることですが、卸って若い人から辞めていくんですよね。

 

過酷なノルマや業務量に挫折したMS(営業職)。

 

元MSの本音!医薬品卸のMSを辞めたいと思った理由について語る!

 

お局に苛められて職場に嫌気が差した事務職。

 

医薬品卸の事務職ってどうなの?仕事内容・求人の裏側についてお伝えします!

 

庫内に左遷されて冷や飯を食わされる倉庫係。

 

医薬品卸の倉庫は『MSの墓場』である…という意見について検証してみた。

 

こんな記事を書いている私自身も元MSであり、新卒で入社した医薬品卸を5年で辞めたクチです。

 

そして、MS時代の同期たちも結構な人数が辞めています。

 

そんな風にして若手が次々と辞めていった結果、医薬品卸内では高齢社員の割合が相対的に大きくなります。

 

さて、そんな高齢社員が全員優秀かというと、決してそんなことはない。

 

むしろ高齢であるが故に、昔ながらの慣習から脱却できず、時代の変化にも疎い。

 

ましてや、2020年以降のコロナ禍で一気に加速したリモート業務について、医薬品卸の高齢社員が適応できているかと言うと、個人的にはちょっと疑問です。

 

そんな人種が沢山いると、会社というヤツはどうしても硬直するんですよね。

 

斬新な仕事のアイデアは生まれてこないし、それどころか事なかれ主義に走ってしまう傾向すらある。

 

そんな柔軟性に乏しい組織に新陳代謝を起こし、新しい風を吹かせたい。

 

そんな思惑があるから、メディセオグループは若くてフレッシュな新卒社員を多めに採用したのかも知れませんね。

スポンサーリンク

若い社員の雇用コストは安い!

繰り返しになりますが、メディセオグループは2021年2月に560人ものリストラを行っています。

 

メディセオが希望退職者を募集!製薬メーカー数社との取引中止が関係しているのか?

メディセオグループのリストラ人数が560人!医薬品卸によるリストラブームの前兆か?

 

医薬品卸の中では、近年稀に見る大量リストラです。

 

そして、そのリストラ対象者は45歳以上の社員でした。

 

医薬品卸と言えば、給料が安いと囁かれがちですが…

 

メディセオグループほどの大企業かつ45歳以上ともなれば、中々の高給取りも多かったのではないでしょうか?

 

そんな高給取りの社員1人を雇うコストと、若い新卒社員を2人雇うコストって、案外同じくらいではないかと思うんですよね。

 

ちょっと嫌な言い方ですが…

 

メディセオグループ(医薬品卸)に限らず、会社目線で考えると安いコストで多くの労働力を確保したいと考えるのは当たり前のことです。

 

パフォーマンスがイマイチな高齢かつ高給の社員1人と、やる気とエネルギーに満ち溢れた新卒社員2人。

 

この二択であれば、会社にとっては後者の方がお得な買い物だと判断したのではないでしょうか。

 

付け加えると、医薬品卸とは典型的な年功序列式の給与体系をしています。

 

新卒で入社した社員たちが高給取りになるまで、それはもう10年や20年といった時間が必要です。

 

その間、会社としては雇用に伴うコスト(人件費など)を抑えることが出来る。

 

以上のことから、高齢社員を削減し、若い社員を採用することは会社目線で考えるとメリットが大きいワケです。

まとめ:メディセオグループの経営判断は賢い!?

大規模なリストラの直後に昨年度よりも多い新卒社員を採用するとは、何だか強気な印象を受けますね。

 

しかし、コストや労働力という観点から考えてみると、意外と理に適った方策であるようにも思えます。

 

現場で働く社員の感情はさておき、こういった経営判断って賢いと思います。

 

思い返してみると、2019年に発覚したJCHO談合事件のときも、メディセオグループは医薬品卸の中で最も上手い立ち回り方をしていました。

 

実際、メディセオグループはリーニエンシー制度を上手く活用して、起訴・課徴金・指名停止といった一連のペナルティを免れています。

 

医薬品卸4社のJCHO談合問題はいつ決着するのか?今後の展開について考えてみる!

JCHOの指名停止措置で大手&地場の医薬品卸に激震!談合問題でまさかの展開か!?

 

この立ち回りについては業界内でも賛否両論でしたが…

 

私個人としては、メディセオグループのやり方は良くも悪くも賢いと思ったものです。

 

さて、メディセオグループと言えば、業界内ではMR認定資格を持つ社員たちが所属していることで有名です。

 

そして、近年のメディセオグループは新入社員たちに早速、MR認定試験を受けさせているとも聞いています。

 

そう考えると、若い人材を多めに採用し、会社としてMR認定資格の保有者を増やすことが狙いなのでしょうか?

 

あるいは、2021年4月からGSKとの取引が途絶えた(=売上&利益が減った)ことについて、戦況を挽回するための方策の一環なのでしょうか?

 

GSKがメディセオ&地方卸との取引を打ち切る理由について考えてみる

 

機会があれば、仲が良いメディセオグループのMSに色々と訊いてみようと思います。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!



コメント投稿はこちら

タイトルとURLをコピーしました