医薬品卸に新卒で入社したMSが辞めていく『4大タイミング』について勤続年数別に語る!

MSの転職

こんにちは、元MSのヒサシです。

医薬品卸のMSって、若い人から辞めていきますよね。

こんな記事を書いている私自身も、20代後半のときにMSを辞めています。

やはり若いうちであれば転職先は沢山あるし、MSとしてのキャリアを捨てても実害は殆どないですからね。

ましてや、独身であれば身軽なだけに、MSを辞めるという決断も下しやすい。

実際、私と同期である新卒MSのうち、入社後10年目の時点で、私を含めて1/3くらいは既に辞めています。

その一方で、年配のMSはリストラにでも遭わない限り、自発的に辞めていくことは殆どありません。

MSに向いている人ほどMSを辞めませんし、そういったMSとしての適性が優れている人ほど、医薬品卸での社歴も長い。

MSとして上手くいっている人が、敢えてリスクを負って転職するのもおかしな話です。

つまり、MSを辞めることが正しい選択かというと、必ずしもそうではないのです。

しかし現実問題として、辞めていく若手の新卒MSは数多くいます。

今回はそんな医薬品卸の新卒MSについて、彼らが辞めていくタイミングについて記事にしてみました。

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新卒入社MSが辞めていく4大タイミング

それでは本題です。

あくまで私の主観ですが、新卒MSが辞めていくタイミングにはがあります。

新卒MSが辞めるときって、一気に複数のMSが辞める印象があるんですよね。

私の経験上、新卒で入社したMSは下記のタイミングで辞めていくことが多い気がします。

1.入社して1年以内

2.入社3年目

3.入社5年目

4.入社10年目

では、なぜ新卒MSは上記のタイミングで辞めていくことが多いのか?

その理由について詳しく解説します。

1.入社して1年以内

入社早々、医薬品卸(あるいはMSという職業)に見切りを付ける新卒MSは一定数います。

それこそ、入社して1年も経たないうちに辞めていきます。

ヒサシ
ヒサシ

まさに“スピード退職”ってヤツです!!

実は、まだ私が医薬品卸で働いていた頃、後輩MSがそういった形で辞めたんですよね。

医薬品卸の社風が気に入らなかったのか、人間関係に馴染めなかったのかは不明ですが、その後輩MSは『自分は公務員を目指します』と言って辞めていきました。

つまり、後輩MSには後輩MSなりの目標があって辞めていったんですよね。

この後輩MSの決断については、社内でも賛否両論だったのですが、少なくとも上司は憤慨していましたね。(汗)

そんな私の後輩MSのことはさておき…

こういった辞め方をする新卒MSは、実は決断力や行動力に富んでいるのではないかと、私なんかは思うんですよね。

すぐに辞めることについて『根性なし』だとか『社会不適合者』と言う人間もいますが、必ずしもそうではないと思います。

自分が身を置くべき環境を見極め、もし違和感があるようであれば、さっさと辞める。

こういった職場に対する嗅覚って、若い人ほど優れている印象があります。

よって、医薬品卸において、新卒MSが辞めていく第1波は『入社1年目』だと思うワケです。

2.入社3年目

MSに限ったことではありませんが、同じ仕事を3年も続けていれば大体慣れますよね。

私もMSとして3年目くらいの時期には、自分1人で一通りの仕事を回せるようになっていましたからね。

そして、私自身もそうでしたが、MSとして3年も働けばMSとしての現実がよく分かります。

MSは決して楽な仕事ではありませんし、MSの仕事内容について悪い部分を探そうと思ったキリが無いです。

…で、MSによってはこんなことを思うワケです。

MSの仕事もかなり慣れてきたけど、何だかやりがいのない仕事だな。

変な取引先も多いし、休日当番もキツいし、もうMSとして働くのも嫌になってきたな。

取りあえず3年は働いたわけだし、この辺りで転職してみようかな。

良くも悪くも、3年も働けばMSという職業の実態が掴めてくる時期なんですよね。

よく『若いうちは、その仕事をまず3年は経験してみろ』って言うじゃないですか。

その3年の根拠についてはともかく、3年という時間を節目として考えている若手MSは多いです。

 

医薬品卸にMSとして入社したら3年は働くべきか?【読者さんからの質問】

 

もし仮に大学をストレートに卒業して医薬品卸に就職した場合、MSとして3年目と言えば、25歳前後の時期です。

25歳と言ったらメチャクチャ若いじゃないですか。

まさに第2新卒の最盛期って感じです。

このタイミングで良い転職先が見付かれば、これ幸いといった感じで辞めていくMSも多いです。

よって、新卒MSが辞めていく第2波は『入社3年目』だと思うワケです。

3.入社5年目

MSを辞めたタイミングとしては、私自身が当てはまる時期です。

MSとして5年も働けば、自分がMSに向いているかどうか完全にわかります。

ここで自分はMSに向いていないと悟った人ほど、転職について真剣に考えるのではないでしょうか?

MSとして5年目といえば、年齢も20代後半に差し掛かり、徐々に30歳という節目が見えてくる時期でもあります。

同時に、自分は第2新卒とは呼べない年齢になりつつあることよって、焦りの感情も生まれてきます。

このままMSとして働き続けることについて疑問を感じ、転職という二文字が頭の中を過ることも増えてくる。

医薬品卸以外の業種に転職するという選択肢について、本気になって考え始める。

転職エージェントに相談しつつ、自分という人間の人材価値を知ることを意識する。

 

MS時代に活用していた転職サービス5選!各々のメリット・デメリットも一緒に解説します!

 

転職するかどうかはさて置き、転職した場合の人生設計についてイメージを膨らませる。

当時の私が、まさにそんな感じでした。

自分はこの先、MSとしてやっていけるのか?

MSに向いていないのであれば、転職活動を始めるべきではないのか?

別の職業にチャレンジするなら、早い方が良いのではないか?

30歳を超えたら転職は難しくなるとも聞くし、決断するなら今じゃないのか?

実際には30歳を超えたMSであっても、転職自体は可能なのですが…

5年という区切りの良いタイミングだからこそ、MSをやめることに踏み切る人間は一定数います。

ちょっと言い訳っぽくなりますが、

ヒサシ
ヒサシ

MSとして5年も頑張ったのだから、もういいか…

…みたいな感じで。

実際、私だけでなく、私の同期MSたちも入社5年目のタイミングで相当な人数が辞めていました。

よって、新卒MSが辞めていく第3波は『入社5年目』だと思っています。

4.入社10年目

MSとして10年も働けば、もう完全にMSという職業に慣れきっている時期かと思います。

10年選手という言葉もあるくらいですからね。

その一方で転職するなら今がラストチャンスだ!と考えるMSも一定数います。

おそらく、10年という切りの良いタイミングであることも後押しするのでしょうね。

さて、大学をストレートに卒業して医薬品卸に就職した場合、MSとして10年目であれば32歳前後であるはずです。

32歳…

好条件での転職を望むのなら、確かにラストチャンスとかも知れません。

一般的に、転職とは年齢が高いほど不利になりますからね。

業界や職種にもよりますが、書類選考の段階で落とされたり、内定が出たかと思えば年収ダウンで条件提示されたり、そもそも年齢的にマッチする求人が無かったり等々。

転職活動において『年齢』という要素は残酷であり、それだけで足切りされることも少なくありません。

MSとして10年目(=32歳前後)であれば、そんな世間の現実を知っている年代でもあります。

だからこそ、転職のラストチャンスに賭けて、MSを辞めていく人たちが出てくるワケです。

ちなみに、私の同期MSの中でも、入社10年目で辞めたMSは結構います。

(※私は医薬品卸を辞めた後も同期との交流を継続しているので、『MSの○○が辞めた』あるいは『自分はMSは辞めて○○として働く』といった情報が耳に入ってくるのです。)

実際、私宛の電話にてMSを辞める旨を伝えくれた同期MSも何人かいるのですが…

やはり彼らは口を揃えて年齢的なことを考えて転職を決意したと言っていました。

年齢的な転職のラストチャンスという意味合いだけでなく、今や大手医薬品卸もリストラを行う時代ですからね。

会社として、業績は先細りするばかり。

しかも後々、自分がリストラ候補者として槍玉に挙がる可能性も出てきた。

リストラ要員となる前に、医薬品卸から脱出することを考える必要がある。

…といった具合に、入社10年目ともなれば、医薬品卸に待ち受けている先々の可能性について、ある程度は見通せるだけの知識・経験が備わっている時期なのでしょうね。

だからこそ、自分の年齢、会社の将来性、MSへの適性などを総合的に考え、その結果として、人生設計における『転職』という手段に注目するのかも知れません。

よって、新卒MSが辞めていく第4波は『入社10年目』だと思っています。

番外編:勤続10年以上のMSに関する転職事情

医薬品卸では新卒として入社して以降、MS一筋で働いている人も結構います。

勤続年数的に言うと、20年~30年ほどの大ベテランです。

詳しくは後述しますが、こういった人たちは多少なりともMSに向いているからこそ、MSとして働き続けているのです。

その中には、MSとしての働き方を心底気に入っている人もいるでしょう。

しかし!

そんなベテランMSですら転職することを余儀なくされるイベントがリストラです。

医薬品卸の公式かつ大規模なリストラとしては、令和以降だと2021年のメディセオ・スズケンによるリストラが有名ですね。

 

メディセオグループのリストラ人数が560人!医薬品卸によるリストラブームの前兆か?

スズケンが4年ぶりにリストラを断行…医薬品卸の厳しい経営環境について改めて考えてみた

 

その他には、医薬品卸による『非公式なリストラ』によって、退職へと追い込まれるMSも一定数います。

例えば、MSとしての仕事を回すことが極端に難しいエリアを担当させられたりとか、通勤困難な営業所に異動させられたりとか。

 

医薬品卸のMSに自主的な退職を促す『姥捨山エリア』の過酷さについて語る!

 

こういった場合、いくらMSという職業に愛着があったとしても、高確率で転職することを意識し始めます。

…と言うより、転職しないと生活が立ち行かないのです。

つまり、MSを辞めたいから転職するのではなく、辞めざるを得ないから転職するのです。

ヒサシ
ヒサシ

該当するMS本人にとっては不本意でしょうけどね…

新卒で入社して以降、ずっと同じ会社でMSとして頑張ってきたとしても、こういった厳しい現実に見舞われる可能性はゼロではないのです。

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MSとして10年以上働いている人はMSへの適性アリ!?

新卒での入社後、MSとしての適性が無い人間は自然と消えていきます。

こんな記事を書いている私自身も、『自分はMSに向いていない』と悟ったからこそ辞めた人間です。

 

元MSの本音!医薬品卸のMSを辞めたいと思った理由について語る!

 

他には、退職とまではいかなくとも、医薬品卸内には他の部署に異動した元MSが大勢います。

上司(会社)から『コイツはMSとして不適格』と判断され、半ば強制的に異動させられたMSたち。

あるいは、MSとしての仕事に嫌気が差してしまい、自ら異動を申し出たMSたち。

彼らもまた、MSとして淘汰されてしまった人間と言えるでしょう。

 

医薬品卸の倉庫は『MSの墓場』である…という意見について検証してみた。

MS(営業)としての仕事に疲れて倉庫へと異動したがる人間は意外と多い!?

 

しかしながら、言い換えればMSとして10年以上も働き続けていられるような人は、MSに向いているから生き残っているとも言えます。

MSとして淘汰されることなく、現役MSとして働いている。

それはつまり、多少なりともMSとしての適性があるからこその結果ではないでしょうか?

ちなみに、私が考えている『MSの適性』とは、具体的に以下のようなものです。


・MSの業務へのストレス耐性
・医薬品卸の社風に迎合できるかどうか
・他部署の人間とも上手く付き合っていくコミュニケーション能力
・社外の人間(取引先やMRなど)から好かれる人間性

MSの業務は大変です。

少なくとも、MS経験者である私にとっては、大変な業務だったように思えます。

しかし、MSの中には涼しい顔をしながら、効率よくMSの仕事をこなしている人たちもいます。

それこそ、私がMS時代に苦しんだ『急配』『返品』『詰め』といった業務であっても、平然と遂行してしまうMSが存在するのです。

それは即ち、MSに向いているからこそ可能な芸当なのではないかと思っています。

さらに、そういったMSの業務に向いている人間は、医薬品卸の社内でも上手く立ち回っています。

上司や先輩から気に入られ、他部署の人間からも好かれ、医薬品卸の社風や商習慣に順応する。

こういったMSは自然と昇進・昇給していきますし、だからこそMSとしての仕事にやりがいを見出し、活躍しているのでしょう。

ヒサシ
ヒサシ

MSとして芽が出なかった私にとっては、羨ましい限りです…

自分は、MSこそが天職!!

自分は、MSをやるために生まれてきた!!

…という表現は大袈裟かも知れませんが、多少なりとも、このような考え方を持っているMSも存在します。

こういったMSへの適性がある人にとっては、医薬品卸を辞める理由など無いのだと思います。

まとめ:MSに向いていない人間は自然と辞めていく!

新卒で入社したMSは、一体なぜMSを辞めるのか?

…ということを突き詰めて考えていくと、多くの場合は『MSとしての適性が乏しいから』という理由に集約されるのではないでしょうか。

MSとしての業務に向いていない。

MSを取り巻く環境に馴染めない。

MSの待遇(給料や休日)に納得がいかない。

MSという職業に愛着を持てない。

こういったマイナス要素を克服できるかどうかが、MSとして働き続けられるか否かの分かれ目なのだと思います。

MSに付随するマイナス要素を克服できるのならば、MSへの適性アリ。

MSに付随するマイナス要素を克服できないのならば、MSへの適性ナシ。

そして、後者に分類される人間ほど、遅かれ早かれ、MSに見切りを付けて辞めていく。

見切りを付けるのが早ければ、入社して1年以内に辞めていくし、遅ければ入社10年目くらいのタイミングで辞めること決断する。

医薬品卸では、日頃からこんなことが起きているのかなぁと思っています。

ヒサシ
ヒサシ

“辞めたい”という気持ちとは、時間と共に蓄積していくものですからね…

医薬品卸でもリストラが行われるようになった今のご時世、会社の将来を危惧して転職していく若手MSは多いです。

しかし、こんな記事を書いておいてこう言うのも妙ですが、MSだからといって無理に転職する必要はないと考えています。

もしMSとして活躍出来ている人ならば、医薬品卸の中でキャリアを形成していく選択肢もアリです。

何れにせよ、MSへの向き不向きを自己分析して、人生設計を行うことが大切なのだと私は思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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