MR基礎教育年次ドリルに登場した『倫理の問題』に関する違和感を語りたいッ!

MRの仕事

こんにちは、アラサーMRのヒサシです。

この記事を読んでいるMRの皆さんは、2021年版のMR基礎教育年次ドリル(通称:MRドリル)について修了したでしょうか?

かくいう私自身は既に修了しておりますが、思い返してみれば中々の苦行だったように思います。

ヒサシ
ヒサシ

設問がその都度シャッフルされるという鬼仕様だったからな!

そんな中で、個人的に突っ込みどころ満載な設問がありました。

それはずばり、MRの倫理に関する問題です!

簡単にまとめると『MRとして自社医薬品の販売を促進するのは良くない』みたいなニュアンスが滲み出ていて、ちょっと違和感があったんですよね。

私が現役MRだから余計にそう感じるのかもしれませんが、製薬会社による売上偏重の姿勢を暗に非難しているような印象を受けるというか。

つまりMR認定センターとしては、製薬会社にありがちな売上追及について否定的だと言えます。

まあ、それはそれで1つの意見だとは思います。

その反面、私個人としてはMRを取り巻く現実について軽視している意見じゃないかとも思うのです。

極端な話、もし医薬品の販売促進をしてはダメだと言うのなら、MRごとに売上目標が課せられるのって変じゃないですか。

これって矛盾していますし、ある意味では“欺瞞ぎまん”じゃないですかね?

実際問題として、MRであれば誰もが多かれ少なかれ、売上目標の進捗率・達成率などについて追及を受けているワケですし。

その辺りの事情について、MR認定センターとしてはどう考えているのでしょうか?

もしかすると、MRによる売上云々という事実について、見て見ぬ振りをしているのでしょうか?

まあ、こんなことを真面目に考えても仕方がないことです。

MRテキストにそう載っているのだから、そういうものだと割り切るのが一番いい。

…と普段の私なら考えるところですが、たまにはMR認定センターが語るMRの理想像について深く考えてみるのも良いかと思い、このような記事を書いてみました。

MR認定センターが語る理想と、現役のMRとして体感している現実。

この両面について考察していこうと思います。

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『倫理』の問題にて出題された『自社医薬品の販売促進』という一文

もはや殆ど心を無にして挑んだMRドリル。

アレを受講したMRの皆さんなら知っての通り、心頭滅却こそが修了への近道です。

…というワケで、私自身は回答中に余計なことなどは一切考えず、とにかく淡々と問題を解くことを意識しました。

いちいち何かを考えていたら、もうその時点で“負け”だと自分に言い聞かせながら。

しかし!!

MRの倫理に関する設問を見たとき、私の心は大きく揺さぶられました。

ヒサシ
ヒサシ

…と言っても、悪い意味でだけどな!

そんなこんなで私に衝撃を与えた設問がこちらです。

問題文

MRが医療の一翼を担うために求められるのはどれか。

選択肢

a:医薬品情報の専門家としての自覚を持つ。

b:医療機関において相応しい行動をとる。

c:自社医薬品の販売を促進する。

a・b・cの文章のうち、正しいとされる2つを選ぶこの問題。

MRドリルを修了した人ならご存知の通り、正解は『a』と『b』です。

『a』も『b』も、書いてあること自体は間違っていませんからね。

その一方で、『c:自社医薬品の販売を促進する』という文章は間違いです。

それはつまり、MRとして自社医薬品の販売を促進してはダメだという意味です。

少なくとも、MRドリル上ではそのような扱いになっています。

これって果たしてどうなんですかね?

この事実について違和感を抱いてしまうのは私だけでしょうか?

出題者の意図について好意的なフォローをするとしたら、確かに『医療の一翼を担う』ことに関して販売促進は必要ない…かも?

仮にそうだとしても、“医療の一翼”という表現は曖昧かつ抽象的です。

もっともらしい言葉のように見えますが、具体的に明言することを避けているという意味では“ずる”を感じます。

もうこの際ですからハッキリ言いましょう。

MRとして自社医薬品の販売を促進しない人間なんていますかね??

確かにMRであれば、単純な営業活動とは異なる仕事も行っています。

PMSによって安全性に関する情報を収集したりとか。

自社医薬品の有害事象については即座に社内報告したりとか。

こんな具合に、いわゆる売上には関与しないような活動をする場面はあります。

でもそれって、あくまでMRとして行う仕事の一部ですよね。

MRとして行う面談。

MRとして行う説明会。

MRとして行う講演会。

これらは何のために行っているのか?

これらの活動を行う最大の理由とは『自社医薬品の販売を促進する(=売上目標を達成する)』ためです。

先述した安全性に関する情報収集も大切ですけど、現実問題として、やはりこの事実は無視できません。

だからこそ、製薬会社はこれでもかと言うくらいMRの行動面についてトレースしてくるワケですし。

 

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MRとは薬の営業マンです。

そして、製薬会社においては営業部門に所属している社員です。

誰が何と言おうと、この事実は曲げられない。

そして“営業”である以上、売上目標という名目のノルマが課せられるのは当たり前のこと。

そのノルマを達成するために、MRは常日頃から頑張っているのです。

勿論、コンプライアンス違反などは絶対にダメですよ?

不当な手段で処方誘因することも然り。

その点については私も理解しています。

しかし逆の見方をすれば、正当な手段を用いてノルマを達成するのであれば、何らやましいことはない。

では、どうすればMRとしてのノルマを達成できるのか?

言うまでも無いことですが、MRドリルの言葉を借りるならば『自社医薬品の販売を促進する』ような活動が必要になってきます。

もし足りない文言を補うとしたら、こんな感じで表現すれば良いでしょうか。

『自社医薬品について正しく使ってもらうことを促進し、その結果として販売金額のノルマを達成する』

そう、製薬会社がよく言っている『医薬品の適正使用』というヤツです。

こんな風に言えば耳障りは良いですけど、実際のところMRは売上を伸ばしてナンボであることは否めません。

これはMR個人の意志に関わらず、製薬会社がそのような活動をMRに求めているからです。

自社医薬品を“適正に”使ってもらうだけではダメ。

自社医薬品を“適正かつ大量に”使ってもらわないとダメ。

不正をすることなく、売上目標を達成してこそのMR。

製薬会社が求めているのは、このようなMR像なんですよね。

ヒサシ
ヒサシ

これはある意味、MRは“売上”という名の鎖で縛られていると言えるかも…

しかしながら、MR認定センターが考えているであろう“MR像”からは、こういった売上云々の要素が感じられない。

それどころか、ある種の理想論のような考え方が透けて見える。

それはある意味、独善的と呼べる類のモノでもあります。

以上のことから、MRドリルに登場した倫理問題からは欺瞞の匂いがするのです。

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製薬会社は民間の営利組織である

MR(製薬会社)は決してボランティアで活動しているワケではありません。

売上を伸ばしてこそのMR。

会社に利益をもたらしてこそのMR。

MRが担う役割の全てではないにせよ、このような側面があるのも事実。

では、なぜMRには売上を伸ばすことが求められているのか?

それは製薬会社が『営利組織』だからです!

製薬会社とて企業である以上、利益を出していく必要があります。

そして“企業”とは、営利を目的として経済活動を行う集団のことを指します。

こういったことを言うと『製薬会社は金儲け主義の汚い連中だ』などと主張するような人もいますが、私は製薬会社が汚いなどとは思いません。

大体にして、MRが頑張って売上を伸ばさなければ、製薬会社だって新薬を世の中に送り出せなくなります。

新薬の研究開発にはどうやってもお金が必要ですからね。

そのお金とは、MRが自社医薬品を売ったことで生じる利益によって賄われています。

要するに、製薬会社の中では『売上(利益)』と『新薬の研究開発』との間に密接な関係があるのです。

では、ここで少し視点を変えてみましょう。

もし製薬会社が資金難などに陥り、新薬を出せない状態になったとしたら?

それは巡り巡って、最終的には患者にとっての不利益になります。

長い目で見れば、治療を受けるための機会を“損失”してるワケですからね。

だからこそ、製薬会社という名の営利組織に所属している以上、MR(営業)は売上を伸ばすという義務がある。

ヒサシ
ヒサシ

どんなお題目を口に出そうとも、これがMRを取り巻いている現実です!

…とまあ、こんなことは現役のMRであれば誰でも知っていることです。

ハッキリ言って、売上目標を課せられていないMRなんていません。

製薬会社によって程度の差はあれど、MRであれば誰もが売上目標の進捗率・達成率について追及を受ける。

もし売上目標を達成できれば称賛され、未達であればきゅうを据えられる。

それは即ち、製薬会社(特に営業部門)が売上を重視しているからこそ起こる現象です。

勿論、生命関連商品である医薬品を扱うことから、MRには高い倫理観も必要であることは理解しています。

MRドリルの設問に出てきたように、MRが倫理観を持って仕事をすることは間違いなく正しい。

患者の生死にも関わるような商品を扱う以上、倫理的な部分を疎かにしてはいけない。

でも、それ“だけ”ではダメなんですよね。

倫理観がどれだけ優れていても、売上を伸ばすことが出来なければ意味が無いのです。

結論として、MRは『倫理観』と『売上を伸ばす能力』の2点について両立が求められる職業なのです。

そして、製薬会社もまたMRに対してはそのような姿勢を求めている。

これは紛れもない事実です。

変に体裁を繕うから“欺瞞ぎまん”の匂いがする

MRとして高い倫理観を持つことは確かに正しい。

その一方で、MRには売上を伸ばす責務があることも事実。

こういった実情について、MRドリルを見た限りだと“売上”に関しては軽視しているような印象を受けるんですよね。

いや、売上云々について“悪”だと思わせるような印象操作をしていると表現した方が適切でしょうか。

確かに、過度な売上追及・販売促進には問題があります。

でも、売上を伸ばすこと自体は決して悪いことじゃない。

少なくとも、私はそう思っています。

売上を伸ばすことが悪。

売上目標という名のノルマを課すのも悪。

もしそうだとしたら、世の中にある製薬会社は悪党ばかりということになってしまいます。

確かに過去の歴史を振り返ってみると、製薬会社による売上偏重のやり方によって不祥事が起きてしまった事例はあります。

令和以降だと、三重大学と小野薬品との間で起きた寄付金事件などが有名でしょうか。

 

三重大病院元教授への贈賄疑い 小野薬品の営業本部社員2人を逮捕

 

さらに平成・昭和の頃まで遡れば、製薬会社による不祥事は数多くありました。

それらの不祥事の根底には、会社として売上を追い求める姿勢が関わっていたことは疑いない。

むしろ、売上偏重の企業文化そのものが不祥事の温床となってしまった。

MR認定センターはこういった事実を重く受け止めて、MRが売上偏重思考とならないように教育を施す必要があると考えているのでしょう。

私個人としては、その考え方自体は間違っていないと思っています。

その一方で、MRの使命や業務について“美辞麗句”を用いて取り繕っているような気がしてならないのです。

それも過剰と呼べるようなレベルで、です。

MRは医薬情報担当者であり、一般的な営業職とは異なる。

常に高い倫理観を持ち、医療に貢献するべく活動することが求められている。

いかなる場合においても、自社医薬品の適正使用について情報を伝えていく義務がある。

これらは確かに正しい表現ではあるものの、MRという職業の全容を表しているとは言い難いですよね。

ここでもう一度、MRドリルの設問を見てみようと思います。

問題文

MRが医療の一翼を担うために求められるのはどれか。

選択肢

a:医薬品情報の専門家としての自覚を持つ。

b:医療機関において相応しい行動をとる。

c:自社医薬品の販売を促進する。

この設問のc:自社医薬品の販売を促進するという一文は誤りだとされています。

この点について、私はどうしても違和感を禁じ得ないのです。

ハッキリ言って、これでは清濁を併せ呑むどころか、あくまで“清”の部分だけを抽出しているだけに過ぎません。

少なくとも現役でMRをやっている身としては、a・b・cの3つとも正しいと思っています。

だからこそ、この設問からは“欺瞞ぎまん”の匂いがするのです。

理想的なMR像について語る反面、MRを取り巻く現実には言及していない。

綺麗な言葉ばかりを用いて、MRという職業を不自然なまでに美化しようとしている。

不祥事の温床となったという理由だけで、MRとして売上を伸ばすこと自体を唾棄だきしているかのような言い回し。

これを“欺瞞ぎまん”と言わず、何と言うでしょうか?

ヒサシ
ヒサシ

敢えて別の言い方をするとしたら“詭弁きべん”でしょうか?

MRが抱えている泥臭い部分。

一歩間違えば不正にも繋がりかねない部分。

それらについて言及していない時点で、どうしても独善的な印象を受けてしまうんですよね。

理想に拘るのは結構ですが、だからと言って現実から目を背けても良いのでしょうか?

それとも、MR認定センターとしては欺瞞なんて承知の上でこの設問を作ったということなのでしょうか?

何れにせよ、こうやって変に取り繕うから欺瞞の匂いがするのかなぁと思うワケです。

まとめ:MR認定センターが語る『MR像』は嘘ではないが真実とも言い難い!

理想的なMR像を大切にするのは良いことだと思います。

そんなの、誰も反対なんてしません。

MRとして高い倫理観を持つ。

医薬品の適正使用に努め、医療に貢献する。

うん、これは間違いなく正しい。

それはもう、眠くなるほどに正しい。

でも、これがMRという職業の全てかと言うと、決してそんなことはありません。

MRは営業職であることから、売上目標という名のノルマが課される。

そして、MRであればそのノルマを達成するためにあの手この手で頑張る。

もしノルマを達成できれば万事OKですが、ノルマ未達であれば社内にてなじられることは避けられない。

場合によってはMRとしての能力不足を指摘され、リストラ候補にもなり得る。

これもまたMRが抱えている1つの事実です。

ヒサシ
ヒサシ

…という観点から考察してみると、MR認定センターの考え方って果たしてどうなんでしょうね?

こういった売上云々の事実について見て見ぬ振りをしているとしたら、それはやはり欺瞞と言う他ないのでないか。

MRの職業価値を貶めたくないという意図があるとしても、そのことが逆に欺瞞を招いているのではないか。

私なんかはそんな風に思ってしまいます。

別にMR認定センターに対して、倫理関係の設問をどーのこーのして欲しいとまでは全く思っていません。

ですが、一介のMRとしてはやっぱり違和感が拭えない今日この頃です。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

 

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