『医薬品副作用救済制度』とは?現役MRが改めて勉強してみました!

MRと業界用語

こんにちは、アラサーMRのヒサシです。

MRとして働いていると医師または薬剤師から適応外使用について質問を受けることがあります。

おそらく、現役MRならば多かれ少なかれ、経験があるのではないでしょうか?

もちろん、MRとして適応外使用を勧めることは許されません。

しかし、その一方で適応外使用された場合どうなるのだろうか?という疑問もあります。

保険請求云々も重要ですが、予期せぬ副作用で患者が窮地に陥った場合、果たしてどうなるのか?

そこで、MR認定試験以来ですが『医薬品副作用救済制度』について、改めて勉強してみました。

 

【『医薬品副作用救済制度』はどんな制度なのか?】


PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)のホームページや、MR認定試験テキストを開いて勉強してみました。

医薬品副作用救済制度の要点をまとめると、大体こんな感じです。

・医薬品によって健康被害を受けた人間を救済する制度ある。

・医薬品は適正使用しても副作用(健康被害)を完全に防ぐことは出来ない。

・医薬品による健康被害について賠償責任を追及することは法律的に難しい。(※立証が困難)

・あくまで医薬品が適正に使用され、不幸にも重篤な副作用が起きた場合のみ、救済対象となる。

・救済対象となった場合、その対象者にはPMDAから医療費などが給付される。

MR認定試験を受けたときはそれほど深く考えていませんでしたが、今は現場のMRとして働いているので、この制度の重要さがよく理解できます。

医薬品と副作用は切っても切れない関係です。

クスリはリスク、なんて言葉もあるくらいです。

副作用ゼロの万能薬なんて、この世には存在しません。

つまり、医薬品が患者の体内に入った時点で、その患者は何らかの副作用に苦しめられるリスクを負います。

その副作用が現れる可能性は1%かも知れない。

もしかしたら、0.00…001%かも知れない。

しかし、可能性は決してゼロではない。

医薬品副作用救済制度とは、そのゼロではない可能性に当たってしまった患者を助けるための制度ということですね。

 

【医薬品の適正使用とは具体的にどういうこと?】


以下の文章がPMDAのホームページに記載されていたので抜粋してみました。

「適正な使用」とは、原則的には医薬品等の容器あるいは添付文書に記載されている用法・用量及び使用上の注意に従って使用されることが基本となりますが、個別の事例については、現在の医学・薬学の学問水準に照らして総合的な見地から判断されます。

簡単に言うと、添付文書通りの使い方をしていれば、適正使用と見なされるようです。

逆を言えば、添付文書通りに使わない、つまり適応外使用した場合はアウトですね。

私たちMRは、基本的には添付文書に書かれている範囲内でしか情報提供できません。

私が担当している病院のある薬剤師さんが法的効力を持つのは添付文書の内容である。とよく言っているのですが、まあ納得できる内容です。

つまり、MRが無責任に添付文書に書かれていない薬の使い方(適応外使用)を勧めたらどうなるのか?

誤った薬の使い方をして患者が重体に陥った場合、その患者は副作用被害救済制度の対象にならない…ということになります。

そんなことになれば当然、病院の責任問題、製薬会社の責任問題、MRの責任問題となるでしょう。

何より、患者に恨まれることになる。

何だかんだ言っても、医療に関わる人間は皆、薬の適正使用に努めないとダメだということですね。

 

【救済対象や救済の方法とは?】


適応外使用は論外として、薬を適正使用したにも関わらず、不幸にも健康被害に遇った患者はどうなるのか?

これは、健康被害(副作用)の度合いによって給付の種類が異なるようですね。

まず、副作用のレベルは下記のように3段階に区切られています。

・入院を要する程度の場合

・障害が残った場合(1級または2級の障害)

・死亡した場合

これは未知の副作用の他にも、添付文書に記載されている既知の副作用による結果であっても救済対象になります。

ただし、くどいようですが添付文書通りに薬が適正使用されていた場合に限られます。

そして、副作用救済による給付の種類は以下の7種類です。

1.医療費

2.医療手当

3.障害年金

4.障害児養育年金

5.遺族年金

6.遺族一時金

7.葬祭料

5、6、7は死亡した場合に適用されるようです。

当然、死亡なんて結末は最悪です。

遺族は一生苦しむでしょう。

それをいくらかでも助けるために、こんな制度が生まれたということですね。

それにしても、医薬品副作用救済制度の中に葬祭料まで含まれているとは知りませんでした。

 

【救済の財源(お金)はどうやって捻出されるのか?】


大まかに2つの出資者がいます。

1.医薬品製造販売業者

2.国(厚生労働省)

医薬品製造販売業者とは、簡単に言うとMRが勤めている製薬会社のことです。

製薬会社は多かれ少なかれ、拠出金という形でPMDAに救済費用を渡しているのです。

他には、国(厚生労働省)も補助金という形でPMDAに救済費用を渡しています。

私が勤めている会社はどのくらいの拠出金を納めてるのだろうか…。

ちょっと気になります。

 

【医薬品副作用救済制度の対象とならない薬もある!】


個人的に今回勉強してみて、一番参考になった部分です。

PMDAは下記の2種類は医薬品副作用救済制度の対象薬から除外すると公言しています。

1.がんその他特殊疾病に使用されることが目的とされている医薬品等であって、厚生労働大臣の指定するもの(抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤など)

2.人体に直接使用されないものや、薬理作用のないもの等副作用被害発現の可能性が考えられない医薬品(動物用医薬品、製造専用医薬品、体外診断用医薬品など)

では、除外対象となる具体的な医薬品とは?

ということで、PMDAが公開している薬品リストを見てみました。

私もオンコロジーMR、かつ、オーファンMRの端くれです。

よって、項目1についてはそれなりに知っているつもりでしたが、認識が甘かったです。

項目1にて言及されている抗悪性腫瘍剤や免疫抑制剤は200種類ほどありました。(平成31年3月26日現在)

シスプラチンのような有名なものから、対象患者が日本に数千人~数万人しかいないようなオーファンドラッグまで、結構色々あります。

つまり、それら200種類の薬は適正使用されたとしても、どんな重篤な副作用が起ころうが医薬品副作用救済制度の対象にはならないということです。

抗がん剤を使用した症例が死亡することは珍しくない、というより頻繁にあります。

よって、救済対象とするには患者の母数が多すぎるということなのでしょう。

他にも、オーファンドラッグの対象患者は疾患自体が特殊であることから、薬との因果関係証明が難しい場合が多々あります。

つまり、オーファンドラッグを使用して副作用が出てしまった患者を救済対象とするには、現実的には難しいということです。

納得するのと同時に色々と考えさせられました。

 

【結論:MRは医薬品の適正使用を推進しよう!】


今回は適応外使用というちょっとした疑問が発端で医薬品副作用救済制度について調べてみました。

きっかけは些細なことでしたが、この制度について改めて勉強して良かったと感じています。

当たり前と言えば当たり前の話ですが、MRは薬を適切に使ってもらうために存在しています。

つまり、自社医薬品の適正使用のため、正しい情報を正しく伝えるのがMRの義務です。

言い換えれば、医療現場で自社医薬品が誤った使われ方をしないように努めるのがMRの仕事です。

とはいえ、MRとて営業です。

適正使用!適正使用!

…といった具合に、頭でっかちになるのは良くありません。

それでも、薬の適正使用を勧めることは最終的に患者のことを守ることに繋がるのだと再認識しました。

今後も売上達成だけでなく、患者にとってのもしもの場合まで視野に入れた情報提供活動を心掛けたいものです。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!


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