医薬品に関する『帳合(ちょうあい)』とは?現役MRが解説します!

MRと業界用語

こんにちは、アラサーMRのヒサシです。

医薬品業界で働いているMRやMSは、日頃から帳合ちょうあいという言葉を用いて会話しています。

もちろん、今でこそ私自身も『帳合』という言葉の意味を理解しています。

しかし、医薬品卸にMSとして入社したばかりの頃は、『帳合』という言葉が何を意味しているのか全く分かりませんでした。


チョウアイ』って、どんな字で書くの?
そもそも、『チョウアイ』って日本語なの?
それとも外国語?
もし日本語なら、もしかして『寵愛』のことかな?

こんな具合に、思考が迷走しているような状態だったんですよね。

ついでに言うと、現場への配属後に先輩MSに『帳合』の意味を尋ねても、曖昧な回答しか返ってきませんでした。

ヒサシ
ヒサシ

多分、その先輩MSも正確な『帳合』の意味について知らなかったと思われる…(汗)

そこで、この記事では医薬品業界の基本用語である『帳合』について、確認・復習していこうと思います!

新人のMRやMSはもちろんのこと、就活生などの業界未経験の人にとっても分かりやく解説しています。

5分くらいでサクッと読める記事ですので、興味がある方はご一読ください。

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『帳合』とは医薬品業界以外でも使われる言葉である!

さて、『帳合』という言葉を辞書などで調べると、色々な意味がある言葉であることが分かります。

私が調べた内容をまとめると、大体下記のような感じです。


 意味 

①:現金・商品(在庫)の出入りについて帳簿上で照合すること
②:収支や損益を帳簿に記入すること
③:自社と他社(取引先・銀行など)の帳面を確認し合う行為
④:取引先を意味する言葉
⑤:小売店の仕入れ先をとりまとめる役割を担う商社のこと
⑥:小売業と卸売業者の間に口座が開かれている状態

 語源 

元々は『帳簿ちょうぼ合わせ』という言葉を短縮したものである。
帳簿合わせ』とは、取引内容について帳簿に記録したり、収支状況を計算して確かめたりすることを意味する言葉である。
さらに歴史を辿っていくと、『帳簿合わせ』の発端は江戸時代の相場投機における空物取引という説がある。

ご覧のように、結構色々な意味がありますね。(汗)

付け加えると、『帳合』とは医薬品業界独自の言葉ではなく、他の業界でも使われる言葉であることも分かります。

ヒサシ
ヒサシ

実際、食品・建設・エネルギーなど様々な業界で『帳合』という言葉が使われています!

さて、肝心の医薬品業界での『帳合』の意味合いですが、上記のうち④⑤⑥辺りが該当します。

うーん、それでも小難しいですよね。(汗)

つまり、結局ところ『帳合』とは何なのか?

私なりの解釈ですが、簡単にまとめると帳合』とは『取引がある状態を指す言葉です。

では、具体的な事例を紹介しましょう。


例えば、薬剤Xという医薬品があるとします。

その薬剤Xは、医薬品卸Aを通じて病院Yに納入されています。

このような場合病院Yにおける薬剤Xの帳合は、医薬品卸Aである。と言ったりします。

あるいは、もっとシンプルに薬剤Xの帳合は医薬品卸Aだ。と言ったりもします。


このように、何が・どの会社を通じて・どんな施設に納入されているのか?

それらを意味する言葉が『帳合』なのです。

ですから、極端な話ですが帳合イコール取引と考えてもOKです。

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医薬品の帳合変更は日常茶飯事である!

新人のMRやMSの人には、是非とも知っておいてほしいことがあります。

先ほどから紹介している帳合とは、固定的なものではなく流動的なものです。

つまり、

医薬品業界では帳合の変更が頻繁にある!

…ということです。

これはMRもMSも営業現場に出ればイヤと言うほど体感することになります。

例えば、薬剤X医薬品卸Aを通じて病院Yに納入されているとします。

しかし、ある日突然、薬剤X医薬品卸Bを通じて病院Yに納入されることもあるのです。

読者さん
読者さん

おいおい、医薬品卸Bはどこから湧いてきたんだ?

…と思う人もいるでしょう。

理由としては、色々な可能性が考えられます。


・医薬品卸Bが病院Yに対して薬剤Xの安売りを持ちかけた
・病院Yの意向で医薬品卸Aとの取引が打ち切られ、注文が医薬品卸Bに流れた
・医薬品卸Aが何らかの事情で病院Yからの注文に対応できなかった

こういった可能性を考えるとキリがありませんが、とにかく帳合の変更はよくあることです。

医薬品卸のMSは自社の販売量を増やし、売上(利益)を稼ぐことが仕事です。

よって、MSは日頃から担当エリア内における帳合(取引)をいかしにて増やすか?ということを考えながら活動しています。

だから、卸同士で帳合の奪い合いが起こるのです。

先ほどの医薬品Xで例えるなら、医薬品卸AやBだけでなく、さらに他の卸であるCやDも虎視眈々と帳合を狙っている可能性だってあります。

こういった帳合変更とは、ほとんどの場合は卸同士の安売りが原因です。

最初は医薬品Xを卸Aが1,000円で病院Yに販売していても、卸Bが950円で病院Yに販売する意思表示をしたらどうでしょうか?

当然、病院Yからすれば950円で医薬品Xを買う方が得です。

そうなれば、何か特別な事情が無い限り、病院Yは卸Bから医薬品Xを買うでしょう。

その後、卸Cが900円で医薬品Xを販売するとの話を病院Yに持ちかけたとしたら?

今度は、病院Yは医薬品Xを卸Cから買うことになるでしょう。

こんな風に、医薬品卸が取引先に提示する価格次第では、帳合の変更が頻繁に起こるのです。

余談ですが、こういった卸同士の安売り合戦は、現場のMSが疲弊する一因でもあります。

医薬品卸のMS(営業職)は激務なのか?元MSが解説します!

まとめ:帳合の意味を知っておいて損はない!

帳合とは、医薬品の取引に関わる言葉である。

そして、帳合とは流動的なものである。

帳合という言葉について、少しでも理解が深まったでしょうか?

繰り返しになりますが、私はMSになりたての頃は『帳合』という言葉の意味がまるで分かりませんでした。

そのお陰で、恥をかいた場面もいくつかありました。

取引先へと同行したMRさんから、ヒサシの無知っぷりについて呆れられたりとか。

上司
某MR

えっ?

帳合の意味を知らないの?

マジで??

…みたいな反応をされたこともあります。(汗)

他には帳合寵愛と勘違いしていたりとか。

ヒサシ
ヒサシ

“チョウアイ”ってのは、取引先から可愛がられて取引を増やしてもらうことを意味しているんだな!

…などと、間違った解釈をしていた時期もありました。(汗)

当時のことを振り返ると、無知って本当に恐ろしいなぁと思います。

医薬品業界で長く働いている人にとっては当たり前すぎて、逆に意識しないような言葉なのかもしれませんね。

この機会に『帳合』の正しい意味を知ってもらえたら幸いです。

これからも正しい知識・認識を持って、この業界での仕事を頑張っていきましょう!

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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